恋は盲目……恐怖の大魔王…………No.5-6
「ふん、少なくとも君達よりはいいさ。片や単細胞のデカブツに、片や女みたいに白い肌の不潔な前髪だ!どこにいたわる必要性が?!!」
「おぃ……細川てめぇ、マジに覚悟出来てんだろうな…?」
ドスをきかせて問う亮
「はっ、僕に手を出してみたまえ!父上が君の一生を塀の中にしてくれるだろうよ!!」
嘲笑と共に言い切る細川
「よし……じゃぁこうしよう。今回の主要五教科七科目の合計得点で白黒つけよう。負けた方は勝った方の言うことを一つだけ聞く…………但し何でもだ。それで良いか亮?」
女呼ばわりされて、幾分か俺の頬がひきつっていたのだろう
亮は素直に頷く
「君達は馬鹿か?最初から負けると分かってて勝負をするとは……これだから庶民は……」
嘲りとため息の入り混じった声と共に自分の席に悠々と戻っていく細川
「おぃ、亮……」
「あ``っ?なんだよ。」
かなり不満そうな亮
「今回だけはマジだ。英語は勝てそうなのか?」
「あぁ、任せとけ!」
「俺が全教科満点を取っても良いが、そうすると後で校長に圧力かけて点数調整しなくてはならなくなる。それだと面倒だ。あいつに必ず勝てる自信のある教科はあるか?」
「そうだな……化学と数学なら間違いなく勝てる」
そうか、亮の親は時代にとらわれない(学問だけでなく生活においても)先進的な学者だったな。
「よし、その2つは満点を狙え。俺はそれ以外だ。細川に、にゃふんと言わせてやろうぜ!!」
「おぉ!!」
そして答案返却……
「よく逃げなかったね。その度胸だけは誉めてあげよう。まぁその度胸も庶民にしては、だけどね。まさに巨象とアリの戦いだ!!」
余裕綽々の細川
「そっくりそのまま返す、その言葉。約束は覚えてるようだな………。合計得点は何点だ?」
「7科目合わせて651点だよ。」
その点数を聞いた瞬間、目を点にする俺と亮
「ハッハッハ、そんなに驚かないでくれたまえ!!いや、自分でも庶民相手に本気を出してしまって少々大人気なかったと思っているんだ!!」
細川の高笑いに教室の目線が集まる
「で、君達の点数を一応聞かせてくれるかな?いや、素直に負けを認めてくれれば温情を与えても良いんだがね?」
勝ち誇った細川の前に一枚ずつ無言で答案を並べていく
英語 94
数学? 99
数学? 98
国語 98
化学 100
生物 100
地理 100
教室中の視線が集まるのを感じる