恋は盲目……恐怖の大魔王…………No.5-11
「えっ?白鳥先輩どうしたんですか?顔がちかっ……んむっ……??!!」
あれ?何してんだ俺……
唇に、自分のものではない柔らかいものが触れている……
白鳥先輩?!!
これ、もしかしてキスってやつか……?
あぁでも……なんだか……全てがどうでも良い位気持ちいいんだけど……
時間にして僅か数秒間だろうか?
俺にとっては、それこそ時間が止まった無限の時の流れの中にいるようだった
ぷはっ、と息をつきながら頬をほんのりと赤く染め、離れる白鳥先輩
何も言えず、ボゥッと立ち尽くす俺
「私、本当に惚れちゃったみたい……。最初は好奇心だけだったのに………。」
うつむきながら何か言っている…
「先輩……?何を言って……」
「いい?絶対に私の方に振り向かせるんだからね!!覚悟しておきなさい!!」
俺の疑問を遮り、一方的に宣言して小走りに洋館に向かう白鳥先輩
何を覚悟するのだろうか?
いや、それよりも……
さっきの……
キスだよな?
何だったんだ一体………
その後、茫然自失としていた俺はどうやって家にたどり着いたかは覚えていない
なんで白鳥先輩はいきなり俺にキスを?
なんで?という疑問ばかりが浮かび上がってくる。
が、俺が何をしていようが何を考えていようが関係ないのがうちの大魔王様たち
家に帰ると早速、今まで何をしていたか聞き出された
というか無理やり吐かされた。尋問という名が一番相応しいかな……
しかも、キスされたことまで全部…である
普通、こういった微妙な問題は人には容易く話さないものである
しかし、相手は人ではないのだ。大がつく魔王様なのである。これは抵抗するだけ無駄というものだ……。
「誠にキス?!!誰よ相手は………?」
かなり不機嫌な百合香姉さん。美人は怒っても美人だから世の中不公平だ。
しかし、ここで名前を口にしたら明日には白鳥先輩の訃報が届くだろう