いのち短し、××せよ少女!-5
「ね、あたしが年上だって知ってた?」
制服を着直しながら、何となくあたしは西岡に問う。
すると西岡が飄々と言った。
「普通、保健室でひとりエッチする女なんかいませんよ。ましてや一年なんて、保健室でサボること自体が珍しいし」
「………」
そりゃ、確かにそうだわ。
「でも」
タイを弄びながら、あたしは意地悪げに詰め寄る。
「西岡は一年生じゃない。一年坊主で保健室でこんなことしてていいのかな〜」
「……気持ちよくなかった?」
哀しげな瞳を向けて、首を傾げる西岡。
ちょっと意地悪になった自分が悪いような気がして、あたしは俯きながら答える。
「……気持ちよかった」
「なら、いいじゃないですか。それに」
言って西岡がまたあたしの頬に軽くキスをする。
「東先輩と知り合うことができた」
あたしの照れた顔を見ると、彼は嬉しそうに目を細めた。
「それじゃあ、また」
汗ばんだ身体のままシャツと学ランを羽織り、そう言って西岡は保健室を出て行く。
(……可愛いやつ)
たまには後輩に攻められるのも――悪くはないかも。
そんなことを考えながら、気だるい身体を起こして生欠伸を噛み殺す。
「さて、と」
きちんとショーツを履き直して、あたしも保健室を後にした。
【 南野夏樹 編 】
「あぁッ、あッ、あッ……!」
波のように押し寄せてくる快感に、ただ喘ぐことしかできなくて。
積み上げられた古いマットの山に突っ伏すように身体を預け、後ろから突き上げる男の名を呼ぶ。
狭く天井の低い体育倉庫には、熱気とむせ返るようなにおいが充満していた。
「南野ぉ……ッ!」
「こん時くらい……夏樹って、呼べ……って!」
「はんッ、なつッ……んんぅッ……!」
南野があたしの左手首を掴み、右手であたしの顎を掴んで後ろを向かせる。
口を塞がれると、反応というか本能というか、あたしは意識なく舌を突き出していた。
荒い息を交えて舌と舌が絡み合う濃厚な南野のキスは、荒っぽいけど、そこが好きだ。
今までにないくらい、背を走る快感も凄くて。
「や、だぁあ……あぁああッ……やぁあッ!」
だらしなく開いた口や、その端から伝う涎なんて気にしていられない。
「な……つきぃッ!!」
「ん、イキな……ッ」
言って、ガツガツと遠慮なしに突き上げる。
後ろから両の手を回して胸をすくい上げ、勃ち切った乳首をぎゅっと握って絶頂の後押しをする。
「やあぁあああ――ッ!」
「ん……ッ」
あたしは一際大きな声を上げる。
がくがくと足が震えて、立っていられない。
「おっと」
ついにがくん、と膝が折れてしまうと、力の抜けたあたしの身体を南野が支えてくれた。
「はぁッ、はぁ……ッ」
必死に呼吸を繰り返した後、あたしは大きく息をついて、積まれたマットの上に仰向けに転がった。
南野はそんなあたしを悪戯っぽい目で見ながら笑う。
「はしたねーくらいヨガっちゃって。お前、後ろからだとすっげー感じるのな」
「あんたが……激しすぎなの……ッ!」
後ろから突かれると、いつも以上に感じてしまうのは本当だ。
でも、悔しいから口ではそう言う。
「お前がエロいから、激しくすんの」
そんなことを言って、仰向けのあたしに覆い被さってキスをする。
さすがにこれだけ激しくヤッた後でもう一回戦、てのはキツい。
なんて思っていたら、向こうも力が抜けたようにマットの山に背を預けて座り込む。
あたしも気だるい身体を起こして、南野の横に腰を下ろした。