「僕は何?…」-4
嬉しい。こうされると…ゾクゾクする。あの方の足の下程度の存在。
強い者が弱い者に、屈服する…劣等感。
堪らない。
切なそうな僕の視線はそっちのけで、顔面を台の様に踏みつけながら、使いなれた鎖…リードを僕の証に合わせる。
ススッ…カチャカチャ…カチッ…
「クスクス…慌てないの。あそこで…ゆっくり…ね?」
リードを手繰りながら、僕をゆっくりと誘導する。
リードの先を僕は四つん這いで、廊下を進む。
ギシッ…ギシッ…
階段から2階へ、ゆっくりと。
僕は、あの方の前を進む。ゆらりゆらりと、大きく尻を振りながら、少しずつ。
あの方の淫妖な視線が僕に刺さるたび、怒張した肉棒が脈を打ち、堪らなく…理性が飛びそうになる。
でも…我慢。僕は従順でなければならないから。
ガチャ…ギィィィィ…
突き当たりの、一番広い部屋の扉が開く。
「さぁ…入って。いつもみたいに…私を楽しませるの。」
いつも僕との情事を楽しむ寝室。もちろん、薬指のリングを渡した男とも。
今日は一段と匂いが残ってる。昨日の、あの方が男の肉棒で狂いよがる姿も…想像できる。
よく解らない気持ちが込み上げて来る。何かを…ぐしゃぐしゃにしたい様な、そんな気分。
やっぱり僕は我が儘だ。
ギシッ…ススッ…
あの方がベッドに腰掛けたのと同じくらいに、僕は意識無くあの方を押し倒す。
ドサッ…ググッ…
「アッ…ダ…ダメよ…まだ。ハァハァ…命令…聞けないの…。」
口調だけは残したまま、まるで犯されるのを待ってたかの様に、口元を緩めながら弱々しく抵抗する。
止まらない。あの方の匂い…味…感触。僕で満たしたい。
止まらない。