社外情事?4〜順調で幸せな一日と難問の前兆?〜-8
「一週間ぶりね…」
甘い声を漂わせ――
「こうやって、誠司君を感じるのは…」
強く抱きつき――
「…でも、もっと誠司君を感じたい……」
誠司の足の間に、自身の太股を滑り込ませ――
「だから…」
上目遣いに見上げ――
「…しよ?」
――求める。
それら一連の動作に、誠司はあっさりと屈しそうになり――
「……だ、だめですっ」
――何とか堪えきった。誠司は少々乱暴に玲を引き剥がすと、はっきりと告げる。
「…やだ……もう我慢できない…」
対する玲は、肉欲に若干の不満を織り交ぜた言葉を返し、我を通そうとする。しかし誠司は揺るがない。
「食事が先ですっ。玲さん、し始めたら一回じゃ済まないでしょう?」
まっすぐ玲を見つめ、食事が先だという事を諭させる。
「食事なら…私で済ませて…♪」
しかし、情欲を理性の枷から解き放った玲はなかなか手強い。大人しくなるどころか、言葉を巧みに使い分けて誠司をその気にさせようとしてくる。
「そういう冗談は通じませんっ」
「じゃあ誠司君が食べたい…♪」
「さっきと似たり寄ったりじゃないですか」
「…生殺しじゃない…」
「…今すぐして空腹でなおざりになるのと、我慢した後で何度もするのと、どっちがいいですか?」
「う……」
しかし、あの誘惑を引き剥がした誠司も、かなりの難敵だった。
最後には二者択一の問いかけをされ、言葉に詰まってしまう。すると情欲は急に萎み、理性の枷にかちゃりとはまってしまった。
そうなると、あれだけ誘ったのにおあずけにされてしまった事が、情けなくなってくる。
「…じゃあリクエスト通り夕飯にしますっ。着替えはいつもの場所だから、誠司君は着替えてきてちょうだい」
それを隠すため、玲は不機嫌そうな表情でつっけんどんな言葉を投げつけた。それに対し誠司は軽く肩をすくめ、「わかりました」の一言。それからリビングを後にし、別の部屋に消えた。
その背中を横目に見ながら、玲は口を尖らせる。
「んもう…1ヶ月で慣れるだなんて……順応能力高すぎよ…」
――しかし呟きの後、自分も着替えようと寝室に向かいながら、彼女は頬を赤らめる。
「…まあ…勿体無い事しそうになったわけだし、それには感謝しておかなくちゃ…ね」
――それから二時間程度。
夕飯を済ませた二人は――
「…誠司君…」
「…お待たせしました、玲さん」
――食休みも早々に切り上げ、寝室にいた。
「…早く、しよ?」
抱きついた玲が、色香漂う言葉と情欲に濡れた瞳で誘う。それが起こす劣情に、誠司は今度は抗わない。
「…んっ」
まずは、キス。
唇を重ね、ついばみ、触れ合わせる。
「ん…ちゅ…」
「…ぅん……」
しかし、二人のキスはそれだけでは終わらない。一通り唇の感触を味わった後は、唾液にまみれた舌を伸ばし、相手のそれとねっとりと絡み合う。
それがもたらすのは、熱い吐息と、ぬめった舌の感触と、官能にとろけていく互いの視線と――