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命日が誕生日
【コメディ 恋愛小説】

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命日が誕生日13-3

『で…どうやって依頼を探すかだけど…
やっぱり零が現世の狭間に行って来るのがてっとり早いでしょ…向こうに行けば悪霊も現世の歪みもすぐ視れるし』

『現世の狭間って?』

「この世とあの世の通路って所だな…前に天迦を呼び出した処だ」

『あぁ…でもなんで私あそこに行けたんだろう』

『それは零が呼んだ事…
天迦が死に近づいた事…
そして2人が契約出来るほど相性が良かったって事ね…多分…』

「あぁ…だが能力の無い者が肉体をもったまま
狭間に行くのはそう簡単では無いんだがな」

『うん……
恐らく天迦も霊術の素質があるんでしょうねぇ
……羨ましい』

『あはは…まぁまぁ』

「まぁ仕方がないか…
では行ってくる…
肉体は面倒だから置いて行く………が、
嵐…悪戯するなよ?」

『あはははは♪チッ!』


「では行ってくる!」

そう言った瞬間、
霊の体は力無くその場に崩れ落ちた……


『はぁ……
ねぇ?嵐…今は零自身はここに居ない訳よね?』

『何?襲う気?』

『ちっ!違うわよ!
ただ…今、この肉体に霊気は流れていない訳じゃない…?』


『あぁ…そういう事…
霊力ってのは…電気みたいに常に流動させて肉体なり魂を動かしてる訳じゃないから……
始めは1から具現化するから一気に霊力使うけど
後は一滴ずつ血を垂らしてくみたいな感じ?
それで魂はお肉食べて血を…霊力をホンの少しづつ作って肉体に送る…余った分を魂で使う…
まぁそぅいう事ね…』

『成る程…じゃぁその血を作るペースをあげれば零は助かるの?』

『それは無理ね…
作るペースは皆同じ…
ただ器の大きさが違うだけなのよ…
魂とは基本は全て同一のものだから個性はないわ
…まぁ…例外はあると聞いた事もあるけど』


『ふーん…でも今は
零は契約関係無しに肉体に霊力を送らずに
魂のみに使えてるんじゃ無いの…?
なら今のまま居れば』

『それも無理…2、3日ならともかく零の魂とこの肉体は、既に同一と認識されてるから…
肉体が滅びれば同時に
魂も共に滅びに引っ張られちゃうのよ…
そして戻れば肉体がそれまで消費した分の霊力を取られちゃう…』


 ……………


『はぁ……なんか八方塞がりねぇ〜…』

『なになに♪全てはこれからよ♪』


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