恋は盲目…春期体育祭…No.3-4
……………………
位置について、よーい……………
パーン!!
「今一斉に走者がスタート!!
やはり三年生は速い!
一年生も頑張って下さい!」
ワァァァァー
…………………………………
「さぁ遂にアンカーです!各クラス屈指の猛者が大集合!一位の栄冠はどのクラスに!?」
…………
「ほら見ろ小林。うちのクラスは一年の中じゃ速い方だけどそれでも十位ちょいだわ。」
「そうか…、お前は他県から転入だから知らないかもだが、中学の陸上大会でな、偶々俺らの中学のメンバーの1人が足を挫いて…その時、偽名で代走をしたのが誠なんだよ。」
「それで走ってる途中で倒れでもしたの?」
「いや、それが…」
オオォォォォォ!!
ワァァァァァァ!
「なんと!!あれは何処のクラスだ?速い!!次々と上級生をごぼう抜きだ!!あっ、今、手元に入ってきた情報によると彼は一年五組、名前は九条誠!それ以外は謎です!」
「なっっ、速い!!!」
「誠はな、平穏な生活を送る為に何時もは平凡学生を演じてるんだよ。因みに中学の陸上大会では中学生としての史上最速を叩き出したんだが、偽名ってのがバレて、幻の新記録となったんだよ………。」
「そうだったの…前々から妙に異質なヤツだとは思ってたけど……これは是非とも陸上部に入ってもらうしかないわね!!」
…………
「遂にラスト50m!!ごぼう抜きされた不甲斐ない上級生の最後の砦は、我らが藤英学園陸上部三年エースだ!!九条誠くんも流石に彼を抜くのは至難の技のようです!!………………今ゴールイン!!いや、九条くんもなかなか頑張りましたが最後は疲れたのでしょうか、失速して悔しい二位!ですが体育祭の最後を飾るに相応しい熱戦でした!!」
はぁ………ふぅー……………
「よぅ、お疲れだな?」
「お疲れ様です誠くん!!凄くカッコ良かったです♪♪」
亮と麗さんが駆け寄ってくる
「あぁ、有り難う!やっぱり一位は無理だったよ。笑」
「そんなことなかったです!!私感動しました!」
うっ……なんて可愛いんだ……
「おぃ誠、ちょっといいか?」
「ん?あぁ。」