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社外情事?〜気晴らしの酒と思わぬ睦事〜
【その他 官能小説】

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社外情事?3〜堂々巡りと結論情事?〜-5

「…そんなに見ないでください、誠司さん」
そのうち、穴が開く程自分を見つめてくる誠司の視線に気付いた湊は、一度箸を置いて彼の方を見る。
「…恥ずかしいです」
少しだけ困ったような表情で、頬を赤らめる。その態度に、誠司ははっとなった。
「えっ、あ、す、すいませんっ」
「ふふ、謝らなくてもいいですよ」
謝る誠司に、頬を赤らめたままの湊は微笑みを投げかけ、更に頬を赤くする。

「なんだか…誠司さんに見られるのは嫌ではないので」

呟かれた言葉。
誠司はその言葉の意味を図りかねる。故に、「…そ、そうですか…」と生返事をするしかない。
だが、彼の生返事に込められた疑問が湊に伝わったらしい。彼女は最初首を傾げていたが、すぐに「ええと…」と言葉を続けた。
「…生理的に、という意味です」
「あ…なるほど」
告げられた理由に、誠司は納得の意を示す。しかし湊は、その様子を見て「…でも」と付け加える。
「…異性として、もあるかもしれません」
「……え?」
「ふふ…冗談、です」
「…はは…ですよね…」
さらりと告げられた冗談。誠司はその冗談に苦笑する。一方の湊は、それを見てまた微笑む。
「…ふぅ。女性というのはなかなかわからないです…」
苦笑が収まった頃、誠司はついため息をついてしまった。
――大方、先日の玲の告白と今の湊の冗談が知らぬうちに絡み合い、無意識のうちにそんな疑問を生み出したのだろう。
その言葉に湊の微笑が、不思議そうなものに変わる。
「あら、どうしてそう思うのですか?」
だが言葉に反して、湊の目に問いかけるような色は欠片ほどもない。しかし誠司は、その色に全く気付かずに話し始める。
「…さっきの湊さんみたいに、こっちが勘違いしてしまうような冗談をさらりと言ったり、冗談と思えるような言葉が本気のものだったりしますから…」
「…そうですか…」
湊は誠司の言う理由に、相槌を打つ。
「…女性の考え方って、結構複雑なんですかね…」
そして、誠司は再びため息をつく。
すると、不思議そうな顔でそれを聞いていた湊が、再び微笑んだ。彼女の顔がたまたま目に留まり、誠司ははっとなる。
「…っと、すいませんっ。気心が知れた間柄でもないのに愚痴ってました」
慌てて謝罪するが、湊は「構いません。気にしていませんから」と言って微笑を崩さない。
「…誠司さんは先程、『女性の考え方は複雑』と言いましたね?」
そして微笑のまま、誠司の言葉を確かめる。それに対し誠司が「あ、はい」と頷くと、湊は言葉を続ける。

「男性にはそう見えるかもしれませんね。…でも、実は女性って、案外単純なんです」

誠司の体が、少し前のめりになった。
「冗談だって、単に相手の反応が面白いから本当に聞こえるものを言いますし、冗談のように聞こえる言葉だって、本気で言おうとするから言い方が変になって、冗談めいたものになるんです」
そこで一旦口を切り、湯呑みのお茶を一口。
「…ちなみにそういった事は、恋になると顕著になるんです。…女性って、本当に冗談みたいに思えるような言葉や態度でも本気で告白してる事が多いし、冗談みたいな理由でも、本気で惚れていたりするんですよ?」
「…そ、そうなんですか」
「はい。後は、『恋は人を盲目にさせる』という言葉の通り、女性は恋をすると周りが見えなくなります。年齢や立場といったものなんて、恋をした女性には大した障害になりません」
と、そこまで言った所で、恥ずかしそうに頬を赤く染める。
「……あ…私、何を言っているんでしょう…」
口を押さえてもごもごと呟く湊。恥ずかしそうなその態度に、誠司は狼狽えてしまう。


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