特進クラスの期末考査 『淫らな実験をレポートせよ』act.6-7
手を引かれながらエレベーターに乗り、数階上がって幾つかのドアを横切った。
朧げなゆりはドアに貼られた「柏沼」という素っ気ない手書きのプレートに柏沼の部屋だと理解し、連れられるまま部屋へと通された。
「帰れないよ」
低く這うような声に振り返る。
柏沼の表情は学校の時とは別人だった。瞳は黒々と吸い込まれそうで、口元は挑戦的に歪んでいる。
ゆりは息を飲み、目の前に立ちはだかる柏沼を見上げた。
「キミが自分からここに入ったんだ。理由はともあれ自分から手を伸ばした。逃げるタイミングは多々あったはずだ」
ごくり、と喉仏が上下する。柏沼も、そして、もちろんゆりも。
「共犯だ」
グッと体を引き寄せられ、噛み付くようにキスが降る。
唇が熱い。胸も熱い。柏沼に触れる全てが熱い。
されるがまま、ゆりのすべてが柏沼に侵食されていくようだ。
滑るように柏沼の手がゆりの身体をなぞる。上から下に、下から上に。制服が皺を寄せ、ゆりの身体はしっとりと汗ばみ始める。
柏沼の愛撫は、まるで儀式のようだ。
「……っはぅ、ん、っふ」
途切れ途切れに息が漏れる。唇の隙間を縫って、吸い込みきれない唾液と共に口外へと零れ落ちる。
柏沼に、触れて欲しくて……触れて欲しくて。
じりじりと身体も心も焦がれていた。
車の中での強要の最中も。
下着を取られて放り出された時も。
我慢が出来なくて、ボールペンで身体を慰めたときも。
今日だけじゃない。夜な夜な淋しいとき、身体が火照って仕方のないときは決まって思い出す。
……柏沼先生……
ずっと先生にだけ触れてほしかった。先生を少しだけでも欲しくて。欲しくて。
それが今、現実におこっているのだから……先生になら何をされても構わない。
ゆりは決意したように柏沼の背中に手を伸ばす。背骨に触れ、ゆっくりと背筋をなぞり、肩甲骨にしがみつく。
掌から感じる柏沼の熱さ。願っても叶わなかった熱が、今、この掌にある。
瞼が熱くなる。
ゆりは快感に翻弄されながら、熱い雫をひとすじ流した。
背中に巻き付く腕。まるで蛇のようだ。
どれだけ淫乱なのか。そんな事を考えながら柏沼は低く笑った。
ゆりの、少女にしては実った果実をぐにゃりと掴む。制服を皺くちゃにさせながら荒々しく揉むが、一向にゆりは嫌がるそぶりを見せない。反対に背中に腕を巻き付け、せがむように身体を寄せてくる。
柏沼は内心呆れながら、ゆりのワイシャツを脱がせる。面倒なボタンに引きちぎることも思案したが、余計に面倒だと考え直してのことだった。
柔肌を包む、丸くフリルのあしらわれたベージュのブラジャー。透けないことを意識してのチョイスだろうが、うら若き女子高生にしては少々面白みに欠けている。
柏沼は鼻で笑い、ぐいっとアンダーが伸びてしまうのも構わずにブラジャーを押し上げる。そして前フリも何もなく、いきなり乳房の頂を口に含んで甘噛みを仕掛けた。