命日が誕生日4-4
「天迦…今日もその学校とやらに行くのだな?」
『ぇ…?…ぅん…もちろん行くよ…?』
本当は、出来ることなら、あの学校には2度と行きたくはなかった…
またからかわれ、いじめられるのは目に見えてたし、友達と呼べる人も暗く社交性のない私には、いなかったからだ…
「そぅか、では少し出かけてくる」
そぅいって彼は、家族の前でもなんら気にする事もなく、背中から漆黒の翼を出現させると…いきなり凄い早さで外へ飛び立っていった…
(えぇー!!!!皆の前でそんな事しないでよ…!!人間じゃ無い事バレちゃうじゃない!!!!)
「ほぉーっ便利なものだ…なぁ?壱羽?」
「良いなぁ〜♪ねぇ!!僕の次の誕生日はあれ買ってよ!!父ちゃん!!」
「うーん……まぁ…壱羽は、もぅ少し大人になってからだな?」
「「あーはっはっは」」
…………………
助かった………
助かったんだけど…
姉さんは今…そんなベタなオチで、なんら恥ずかしげも無く済まそうとする作者と、あなたたち家族が非常に心配です…
そして結局、零は私が登校する時間になっても帰っては来なかった…
(あぁー……何処行っちゃったんだろう……まさかこのまま帰ってこないなんて……無いよね)
昨日…彼は言った…
何時でも私の側にいると…いつでも私を守ると…
(大丈夫…すぐにちゃんと帰ってくる…)
ほんのちょっと彼と離れただけで…昨日までほとんど何も感じる事がなかった筈の私の心が悲鳴をあげている……
たった1日の事で…私は1人になる事が、こんなにも辛く怖く感じるようになってしまった…
嫌な考えばかりが頭をよぎる……
ただでさえ憂鬱な学校への道のりが更に私を追い詰めていく……