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藤崎美弥の過去
【学園物 恋愛小説】

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藤崎美弥の過去-1

あれは私がまだ幼い頃でした……。
幼い頃の私はまだ芸能界とも無縁の存在で、ただの内気な少女でした。
でも、今思えばあの頃から私の外見は他の子達と比べても秀でていた様でクラスの男子に目をつけられてしまい、よくいじめられました。
まあ、簡単に言ってしまえばいじめられっ子ってやつです。
こんな日々がいつまで続くのかと泣きながら過ごしていたあの頃……。
私の人生を変えてくれた男の子が現れました。
今でも鮮明に覚えているあの日の出来事。
それは私がお母様から誕生日に頂いたペンダントが全ての始まりでした。

「返してください。それだけは返してー!!」
「へへーん、返してほしけりゃ追いついて来いよ」
あの日、用事で外出していた私は大事なペンダントを身に付けていたのをたまたまクラスの男の子達に見つかってしまい、無理矢理奪われてしまいました。
そして泣きながら追いかける私を笑いながら走って公園へ逃げる男の子達。
私は必死に追いかけました。
あれはお母様から頂いた最後のプレゼント……。
あのペンダントは今は亡きお母様の大事な思い出の品だから……。
そう思うと私の瞳から次から次へと涙が溢れ止まりませんでした。
そして、泣きながらもペンダントを奪った男の子達に追いつこうと必死に走りました。
全力で走り、男の子達の姿が見えてきた私の視界に信じられない光景が飛び込んできました。
「おーら、藤崎ぃ。早くしねぇとこのペンダント池に捨てちまうぞー!」
私からペンダントを奪った男の子が今にもペンダントを池に投げ入れようとしていました。
一緒に居る男の子達はその様子を見てゲラゲラと笑っています。
「やめてーっ!!」
走りながら泣き叫ぶ私の声が公園に木霊します。
もうダメと思った時、信じられない事が起こりました。
私のペンダントを持っていた男の子に長い黒髪の、そして少年のようなジーンズにTシャツ姿の女の子が蹴りを入れていたのです。
「お前ら何してんだっ!!」
そう怒鳴りながら黒髪の女の子はペンダントを男の子から奪い返すと他の男の子達を睨みつけていました。
「なんだよお前っ!」
「おい、こいつ隣のクラスの本宮だぜ」
「ああ、あの男女の本宮圭介か。ぷっ……あははっ」
どうやら私が女の子と思っていた子は同じ学校で同じ学年の男の子だったのです。
走るのを止め、その光景を見ていた私の前で本宮くんとクラスの男の子達はケンカを始めてしまいました。
クラスの男の子達三人に対して本宮くんは一人。
どう考えても敵いっこありません。
私は怖くなって泣きながらその場にしゃがみ込んで目を瞑ってしまいました。
「くっそー! 男女のくせに生意気なんだよっ」
「うっせ! 女いじめて喜んでる腐ったやつにそんな事言われる筋合いねーよ!」
離れた場所に居る私のところにまで聞こえる殴り合いの音……。
とても長く感じられた時間でしたが、それもクラスの男の子達の声によって終わりを告げたようでした。
「チクショー! 覚えてろよこのおかまヤロー!!」
「正義の味方ぶってキモイんだよっ」
クラスの男の子達がそれぞれに悪口を言いながら逃げて行ったようでした。
「うっせーよ! テメーらの方がよっぽどウゼーぞっ!!」
その場にいた本宮くんはクラスの男の子達に一言言い返すと、私のところに歩いてきました。


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