【DOLL:zero】-3
しかし毒された体はその毒に脅かされることはない。すでに毒を己の内に蓄えており、毒を無と呼ぶ程に……体は腐っているのだ。
その毒も元は己から出たもの。
体内を巡り…川に流され…魚の糧となり…そしてまた我々の糧となる。
毒は濃縮され、さらに深い毒を生み出す。
狂っている。
狂っている。
街は腐りきっている。
私も腐っている。
私もそんな街で産まれたのだから。
ああ……どうか安らぎを…。
この街にはない……愛を。
この子に。
愛しの…DOLL。