ハーレム?な少年2-3
「はあ…どうしたものでしょう…」
時刻はもうすぐ深夜に入ろうとしている。
ほのかな電球が照らす廊下を、アイリスは1人で歩いていた。
…あれから、そのまま特に問題なく(リンへのセクハラは更にエスカレートしたが)勉強は再開した。
だが、その時間の節々にリンは心ここにあらず…という感じにボウっとすることが何度かあった。
原因は、リズだろう。
これはアイリスの女の勘だが、間違っていないと思う。
リンがこの屋敷へ来て間もなく、リズとリンの間には他の女性陣に対するものとは一線を画した親密さがある。
元々、餓死寸前のリンを救い、ここへと連れてきたのはリズなのだから、リンが命の恩人の彼女に対して何か特別な思い入れがあっても不思議なことではない。
が、それでもだ。
アイリスにとってリンは生まれて初めて意識した異性…
今まで男に全く興味がなく、一生独身でも構わないとまで思っていた自分が、一瞬でときめいてしまったのだ。
そして、その想いは生半可なものではない。
初めは外見に惹かれたかもしれないが、時間の経った今ではリンの性格も含めた全てが好ましい。
「はあ…」
再びため息をつくアイリス。
これほど自分はリンのことを想っているが、リンの方はどうなのだろう。
アイリスのため息の原因、最近の目下の悩みの種はこれだった。
リンは誰に対しても優しく接するので、誰か特定の想い人がいるのかどうか、はっきりとした気持ちが分からないのだ。
最有力候補はリズであるが、あまり愉快な想像ではないので深く考えないようにする。
「はあ…」
三度めのため息をつきながら、疲れた身体を休ませようと重い足取りで浴場へ向かう。
「あら…?」
脱衣室に来ると、脱衣かごに衣服が置いてあるのが見えた。
こんな時間に誰かが入っているとは……しかも、
「この服は…」
男物の服…間違いなく、リンの服だ。
(ということは、今この先にリンさんが…)
ドクン、とアイリスの胸が大きく高鳴った。
「はあ…気持ちいいなあ…」
リンは広々とした湯船に肩まで浸かりながら、身体を癒していた。
先程までアイリスに教えてもらった勉強の復習と、クノイチのユリとのエッチな勉強を終えたばかりで、頭も身体もクタクタだったのだ。
「でもユリさんって…あんなに変わるんだ…」
先程までのユリとの絡みを思い返す。
普通に話ている時は冷静沈着な人で、どちらかといえばアイリスに通じるものがある。
だが、一度床の上となれば…
「…だ、だめだめ!こんな時まで何考えてるんだ!」
鮮明に思い出してしまい、ゆでダコのように赤くなる。
それだけでなく、下半身も変化しつつあった。
(うう…僕ってやつは…変な気分にならないうちに、そろそろでようかな…)
リンが湯船から身体をだそうとした瞬間。
「リンさん…」
後ろから、突然アイリスの声がした。
「アイリス様!?」
突然の呼ぶ声に驚くリン。
後ろを振り向くと、いつのまに来たのか、湯船のすぐそばにアイリスが立っていた。