trauma-6
「ハァ…ァッ…アッ!…ヤァァ…」
「イクぞ…」
「…ヒャァ…ァッ…」
時計を見ると、12時を少し過ぎている。
少し眠ってしまったようだ。今日はもう帰るのやめようか…。そんなことを考えていると浩一がマグカップを二つもって入ってきた。間接照明が薄暗く、どこか幻想的に光っている。
「はい、ココア」
「あ、ありがとう」
白と黒のマグカップだ。3週間前のデートの時に買ったのだ。百合の家には同じ色の違うマグカップがおそろいである。百合は白だ。
「今日泊まる?」
「うん。大丈夫?」
平気だよ、と彼は小さく言う。準備のないお泊まりは初めてだ。明日朝一度家に帰ろう。こく、とココアを一口飲んだ。甘い濃厚な味と香りが体をほんわりと包み、息をつく。おいしい。
浩一が隣に座る。何だか途端に左半分が緊張した。先ほどあんなに乱れたのがすごく昔に感じる。
「…ねぇ、何かパジャマみたいな服ない?私今制服だから…」
「あるよ、ちょっと待って」
見ると浩一は既に部屋着に着替えいた。準備してあったと見える上下のスウェットをもってくる。服をぬぎだすと、パンツがないのに気付く。玄関におきっぱなしなのだ。
(乱れすぎたわ…恥ずかしい…)
赤くなり、うつむく。すると、浩一がぬぎかけの服の隙間から手をいれて胸をなでた。
「っや」
「何かセクシーだね。ぬぎかけって」
「そうかしら…」
浩一はブラジャーを簡単に外すと何のためらいもなく胸に口をつける。優しく乳首をついばむ。
「あ…まだ物足りないの?」
「百合がセクシーだから興奮しちゃって…」
何だか嬉しいような恥ずかしいような気持ちになり、黙っていると、先ほどの疑問が頭をよぎる。
「ねぇ…何で恥ずかしい言葉言わせたがるの?男の人って…」
「分かんないの?」
「うん。興奮するの?」
「それもあるけど、百合が何だか言わせたい雰囲気をもってるんだと思うよ」
…どういうことだろう。百合は眉をひそめる。
「男から見る百合は本当に汚れを知らなそうに見えるから。見せてほしいくなるんだ、百合のエッチなところを」
「あ…そうなんだ…」
そういう意味だったのか。別に汚れを知らないわけじゃないのに。我慢出来ずに昨日だって一人でしてしまった。
「何?百合は元カレとかにも言われたの?」
「…え?…あ……ちょっと。でも…私いわなかったの。何でそんなこと言わせるのかわからなくて、イヤで、いわなかったの。…浩一が初めてなの。イヤじゃなかったから…」
そっか…と浩一は少し笑って言うと、百合を押し倒した。