jam! 第4話 『Hello! pretty ghost girl.』-1
ピピピピッ、ピピピピ…
「………………」
ピピピピッ、ピピピピ…
「………ん……」
ピピピピッ、ピピピピ…
「…………うるさぃ」
バンッ!
ピピピガッ!
妙な音を立てて、僕を起こそうと奮闘していた時計が止まった。
「……あれ?…朝、だよな」
ベッドに寝転んだまま辺りをうかがうと、カーテンの外は明るいし、時計は7時を指している。
今は紛うことなき、午前7時だ。
「全部…夢……だったのか………?」
なんだか何度もエサ代わりにされて死にそうになったり、二階堂さんや悠梨ちゃんと出会ったり、念魔とかいう化け物と闘ったり、悠梨ちゃんが変な技を使ったり、いろいろ。
考えてみれば当然か。
念魔なんて化け物にしろ、刀を振り回したり手から火の球を出すことも、おまけに結界みたいなモノを張ることも。
普通に考えれば常識的にありえないじゃないか。
あれは全部夢だったのだ。
「さて、そうと分かればもう一眠り…………ん?」
ポケットの中に何か硬いものが入っているのに気付いた。
「何だ?何か入れてたっ…………け…………」
ポケットから出てきたのは、一枚の名刺。
そこには、
『二階堂探偵事務所 所長 二階堂 秋次』
…と書いてあった。
あれが、夢じゃなかったと証明する、その名前が。
▼▼
起きてから気付いたのだが、今日は日曜日だった。
……というワケで。
「……来ちゃったよ」
僕は今、あのボロビルの二階、二階堂探偵事務所の前にいる。
顔見せくらいはした方がいいと思ったからだ。
一応、雇われたんだし。
……まぁ、日曜日なのに予定が何も無かった…という悲しい理由もあるが。
扉を開けようか数瞬悩み、結局まずチャイムを鳴らす事にした。