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jam!
【アクション その他小説】

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jam! 第1話 『その日、僕に起きた出来事』-1

さて。
突然だが、今まさに僕は死にそうになっている。

つい先日まではごく平凡に高校生活を送っていたはずだった。
だった………のだが。
今は確実にその『平凡』とも『平和』とも遠く離れた世界にいるらしい。

立ち尽くす僕の頭上には、落下してくる数本の鉄骨。当たったら確実に死ぬだろうし、このままだと多分直撃する。

恐怖と混乱の中、僕は思った。

(どこで道を間違えたんだ――?)

……僕は記憶を遡っていった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜

時間は二時間程戻り、昼前の事。
警察署から出てきた僕は大きくため息をついた。
…いや別に悪い事をした訳じゃないぞ?念のため。
事情を語るとまぁ少し変な話になるのだが……。

殺意、というものを感じた事があるだろうか?
『殺す』なんて言葉が日常茶飯事で使われるこの世の中でも、本物の殺意を感じる機会なんて極めて稀だと思う。

始まりは、今からさらに三日前。
朝家を出て学校に向かう途中だった。靴ひもが解けているのに気付いて結ぼうと屈んだ瞬間、

――ガツッ!

という音と共に、どこからか割と大きな石が当たったらシャレにならないようなスピードで飛んできて、僕がそのまま歩いていれば確実に当たっていたであろう場所に衝突した。
辺りを見回すが誰もいない。その時は気味が悪いな、くらいにしか思わなかったのだ。その時は。

次の日。
学校から帰る時の事だった。友達と昨日のテレビについて談笑しながら歩いていて、高層マンションの前を通り掛かった。
すると突然友達が後ろから僕の襟を掴んで引っ張ってきたのだ。それも足が止まる程強い力で。
思わず抗議の声を上げかけたその時、

―――ガシャンッ!!

と派手な音を立てて、またもや僕が立ち止まっていなければ直撃していただろう位置に、植木鉢が落下していた。
咄嗟に上を仰ぐが、マンションのベランダにはどこにも人の姿は見えなかった。
大丈夫かよ、と聞いてくる友達に礼を言い、僕は僅かな不信感を抱き始めた。


さらに次の日、つまり昨日。
またも学校からの帰り道だった。二日続けて変な事があったせいで警戒しながら帰っていたのだが、特に何事もなく家の近くまで来た。
今日も一緒に帰っていた友達と別れようとしたその時だった。

―――キイィィィッ!!

何とも不快な音がした為、反射的にそちらを振り向いた。……そして見た。一台のトラックがこちらへ突っ込んで来るのを。
あまりに突然のことに反応できない。景色がスローモーションになり、ゆっくりとトラックがこっちへ迫って来て………、

「救急キーーック!!」

ガスッ!

「ほブッ!!」

いきなり背中に強烈な跳び蹴りをくらい二メートル程吹っ飛んだ。
その瞬間、突っ込んで来たトラックがさっきまで僕のいた場所へ盛大に衝突した。


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