jam! 第4話 『Hello! pretty ghost girl.』-3
「…で、リショー君。今日はどうした?」
「あ、いえ。特に用ってワケでもないんですが。一応バイトとして雇われてる身ですし」
「あぁ!そういえば雇ったんだっけ」
……昨日したばかりの話を忘れないで欲しい。
「まぁそれで情報収拾を頼まれたわけですけど。具体的にはどんな情報を集めればいいのかな、と」
「なるほど。…悠梨、説明頼んだ」
「また私ですかぁ?自分でやって下さいよ。……はい、コーヒーどうぞ。リショー君もコーヒーでよかった?」
「あ、ども。いただきます」
「サンキュ。……前にも言ったが俺は探偵、悠梨は助手。説明は助手の仕事」
「はいはい、分かりました!」
悠梨ちゃんは小さくもう、と呟くと、くるりと僕の方に向き直った。
「つまり、とにかく不思議な事の情報を仕入れたら教えてくれればいいんです」
「また随分アバウトだね」
「んー、そうですね……。もう少し正確に言うと、確かに起きたのに犯人が不明な事件とか、夜の学校に幽霊が出るー、とかそういうので構いません」
「なるほど。少しでも霊体が絡んでそうな事件を見つければいいのか…」
「そういう事です。リショー君は幽霊が見えるワケだから、幽霊が絡んでるっていう裏付けが取れればなおいいですね」
……確かに、そういうのが『見える』体質の僕なら普通の人がやるよりは効率がいいと思う。
「ま、とりあえずは身の回りで変なことがあったら教えてくれや」
相変わらずサングラス面の二階堂さんがまとめた。
……そういやさっき灰皿が顔に直撃したはずなのに、サングラスが外れてすらないのはなんでだろう。
……なんか魔法でもかかってるのかアレ?
「……なんだリショー君、さっきから人のグラサンをじろじろと。やらんぞ?」
「いや別にいらないですけど…」
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その後も例によって大量に砂糖を投入したコーヒーを飲む二階堂さんにツッコんだり、仕事をサボろうとした二階堂さんが悠梨ちゃんに突っ込まれたり(灰皿で)と、いろいろと賑やかな一日だった。
時間は過ぎて。
午後11時、自分の部屋。
僕はベッドに寝転がりながら、あることについて考えていた。
……実は、身近な霊に関する話という点で、二階堂さん達にまだ話していない事がある。
霊ではあるが害は無いから別にいいか、と思って黙っていたのだが……
「そういや最近はあんまり姿を現さないな、アイツ。……まぁ現れたらそれはそれで面倒だけど」
まぁ出ないなら出ないで別に構わないかと思い、部屋の明かりも消してさて寝ようとベッドに再び寝転がった、……その時だった。