飃の啼く…第13章-11
断固とした声。これが戦いの最中であったなら、迷わず信じて北斗の言うとおりの事をし、成し遂げられるだろうが…
―信じろ!
そして、飃は心を閉じた。
北斗を大きくして、それの命ずるままベッドの傍らに置く。そして、今や飃にしがみつこうかという勢いで懇願し続けるさくらに向き直った。
「さくら…助けてやるぞ…。」
そして、さくらの中に沈める。
「…!」
一度ふざけて、風邪をひいたさくらと愛を交わしたときが合ったが、あのときの比ではない。熱い。思わず火傷しそうなほど。
「ぁぁあっ!」
余程強い刺激に襲われているのだろう、さくらはいつにも増して苦しそうな嬌声を上げる。
必ず救ってやるからな、さくら…!
「ぁあっ、あ…っ!」
打ち付けるたびに、さらに熱を帯びてくるさくらの体内。
「いぃのぉ…!飃…っ」
焦点の定まらない瞳は、夢幻にさまよって見えざるものを追っていた。
「もっと…!」
熱い壁が、飃を包み込む。さっきの口淫よりもさらに強い波に、襲われそうになる。
まだだ…
「あ…っ、ああっ…!」
もう少し…もう少しで…
「飃…」
手が……届…く!
「たすけ…て…」
ぎゅっとつぶったさくらの目から、涙がこぼれる。
―今だ!
北斗が飃の頭の中で叫ぶ。白くはじけた意識が再び闇の中に戻ると、北斗は形を変えていた。いや、形はそのままだが…