10年間の支配。(第一部、最初の1週間)-2
翌日、奈緒美は黒金に渡されたセーラー服を着た。
白ではなく赤の3本線。12月なので冬服だ。シルクのスカーフの色は何種類かあったが奈緒美は水色を選んだ。
スカート丈は膝が隠れる程度の長さ。24本車ヒダのプリーツスカート。めずらしくキュプラの裏地がついている。
黒金学院は清楚な学校として有名な高校だ。男女共学ではあるが。
奈緒美は9時に学校へ行き、校長でもある黒金の部屋へ案内されて行った。
そこには黒金が待っていた。
「かわいいねえ、奈緒美ちゃん。君のそのサラサラのセミロングの髪。瞳。胸。おしり。それに
セーラー服がよく似合う。」
黒金は奈緒美に近づき、全身を触りはじめた。
「いやっ!やめて!」
奈緒美がさけんだ。
「きさま!抵抗するのか!」
黒金は奈緒美の腹を拳でなぐった。
「うっ」
奈緒美はその場に座り込んでしまった。
「約束を忘れたわけではあるまいな。今後もしさからったら、お前を殺す。覚悟しておけ」
「うぅ、ごめんなさい・・・。」
奈緒美は絶対にさからえないと思った。本当に殺されると思ったからだ。
実際に黒金は今までにさからった女を何人も殺している。
奈緒美と同じように借金の担保にされ、10年間いいなりになるように言われたけれどもさからった女性達は
何人も殺されているのだ。無論警察は全員単なる家出で行方不明としかしていない。圧力がかかっているからだ。
捜査もしていない。
「じゃあ、担任の先生と一緒に教室へ行ってくれ。そして一日の授業が終わったらすぐに校長室に戻れ。
そこで命令を出す。命令以外は君の自由だ。普通に高校生活をすればいい。じゃあな」
「えっ、そうなんですか?」
奈緒美はちょっとびっくりした。
普通に高校生活ができると思ったからだ。
まあこの高校自体は普通の進学校でなんの問題もない学校だ。校長で経営者である黒金を除いては。
でもそれは大きな間違いだった。まだ黒金の命令を知らなかったからだ。
今後彼女はとてつもない羞恥を味わうことになるとは、この時点では想像できなかった。
黒金には特異な性癖があった。
女を命令に従わすこと。女に恥ずかしい思いをさせること。それに衣服フェチ。拘束フェチ。
教室では友達もでき、授業もおもしろく、楽しい思いをした奈緒美は放課後校長室に訪れた。
「おう、来たか。どうだった?学校生活1日目は」
「楽しかったです!」
奈緒美は元気よく答えた。本当に楽しかったからだ。
「ほう、それはよかった。じゃあ早速命令してもいいかな?」
「はい」
奈緒美はちょっと緊張した顔で答えた。
「校庭を10週して来い。そのセーラー服姿で。どうだ、簡単だろ」
「えっ、はい。」
奈緒美は窓から校庭を見た。
そこにはユニフォームを着た運動部の部員達が汗を流しながらさまざまなスポーツをしている。
(ちょっとあの中をセーラー服で走るのは恥ずかしいな。でも10週だし、さっさと終わらせよう)
奈緒美は思った。奈緒美はもともと恥ずかしがり屋だった。
「じゃあ行って来い、ちゃんとここで監視してるからなちゃんと10週だぞ。」
「わかりました。」
「あっ、ちょっと待て、これを忘れていた。」
黒金が机の中からなにかを取り出す。
それは、手錠と足錠だった。