10年間の支配。(第一部、最初の1週間)-11
「キャー!!」奈緒美は吹っ飛んで床に転がる。
男子生徒は床に転がる奈緒美にこれでもか!くらいの勢いで何度も蹴りを入れる。
「ううっ、くぅぅ。」
奈緒美はだまってそれに耐えていた。
「はぁはぁはぁ・・・、今度俺にさからったら、お前処刑してやる。覚悟しとけ」
(なによ、処刑って・・・。この高校の生徒って頭おかしいんじゃ・・)
奈緒美はそう思いながら暴力に耐えた。
男子生徒は疲れたのか蹴るのを止めて立ち去った。
床に倒れ込んでる奈緒美を誰も助けに来てくれない。
奈緒美はゆっくり立ち上がり、自分の席のあった場所に座り込んで授業が始まるのを待った。
そうして全部の授業が終わり放課後になった。
奈緒美が校長室に行こうとしたとき、誰かが奈緒美の手を強くひっぱった。
奈緒美が振り向くと今朝の男子生徒がいた。一人ではない、10人はいるだろうか。
「なんですか?」
「おい、佐伯、お前俺にキスしろ」
「うるさいっ!手を離してっ!」奈緒美は掴まれている手を振り払った。
「おっ、こいつ、さからった。今朝言ったよな、さからったから処刑するって。」
「は・・?」
「よし、みんな、これからコイツ処刑するぞ!!」
10人くらいの男子生徒たちがおっーっ!!と雄叫びをあげた。
男子生徒たちは奈緒美を取り囲んだ。
「ちょ、ちょっと何するつもり?」
「だから処刑って言ってるじゃん」
奈緒美は急に不安になった。「ゴメン!!今日は忙しいの、帰らして」奈緒美はお願いした。
「こいつバカか。いいや、連れて行こうぜ」そう言うと男子生徒たちは奈緒美の手とセーラー服のスカーフ、髪の毛、
襟の部分を掴み、周りを囲んだまま体育倉庫へ連れていった。
「俺達はなぁ、処刑と称してここで気にくわない奴をボコボコにしてるんだ。」
「そうそう」
「処刑っていってもまさか殺されることはない、なんて思ってたら大きな勘違いだぜ。」
「なんせ以前にも一人やってるからな。お前と同じ転校生。確かそいつも校長が連れてきたよな」
「そうそう、痛めつけすぎちゃって死んじゃったけど、校長がなんとかしてくれたもんな。校長ってすげぇよ」
男子生徒たちは恐ろしいことを話をしている。
それを聞いた奈緒美は少し恐ろしくなった。
「始めようぜ」一人が言った。
「よし、まず両手を後ろに回せ。」
奈緒美は黙って指示に従う。一人が奈緒美に両手にロープを巻いていく。
かなり上手な巻き方だ。奈緒美は両手を後ろで縛られキツク固定された。
「絶対ほどけないぜ、そいつの縛りはプロ並だからな。」
「ほれ、3分やるから縄ほどいてみろよ、できたら解放してやるよ。」
奈緒美は何も言わずに必死になって縄を解こうと体をくねらせ、両手を動かしたりした。
だが縄は全然ゆるまない。それどころかどんどんきつくなっていく感じがする。
「はい、残念、3分経ったよ。解放してやれないやぁ、ごめんねぇ」
「バカな女だなぁ、もがけばもがくほど汗をかく。両手の汗はロープに染込み縄の結び目をほどけなくする。
しかもロープ自体水分を含むことで脹らみ、手首との摩擦が増大して手をひねることも困難になるんだぜ」
「わざと、もがかせたんだね・・・、あなた達卑怯よ。」
「かわいい顔して言うことは一人前だね、このアマ。じゃあ次いこ」
奈緒美の両手を縛った生徒がまたロープを取り出しなにやら輪を作っている。