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カーテンと机とつぶれた気持ち
【青春 恋愛小説】

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Surprise-2

私はこの男に犯されるのだろうか。
でもそれも当然の報いなのかもしれない。私はそれくらいひどいことを周りにしてきたのではないか。
もし、それで全てが洗われるのならそれでいい。

私が黙っていると男は黙認とみなし、どんどん近づいてくる。

男の鼻息がかかる。
不快だ。
気持ち悪い。
キモチワルイ‥‥‥。


突然、体を誰かに抱き締められた。意識はまだついていけないから奪われたといったほうが正しいのかもしれない。

『遅くなってごめん。コイツ誰?』


頭がフリーズした。


とりあえずこの人は知らない人だと答えることはできたらしい。
ものすごく低い声に男は驚き逃げていった。


私は今どうなっているの?


この腕は幻‥‥?

この声は幻聴‥‥?

私は都合のいい夢を見ているのかな‥‥‥。


夢だとしたらなんて幸せな夢なんだろう‥‥。


視界に千葉君が映る。
それもかなりの至近距離。

『大丈夫?』

な訳がない。千葉君の両手が置かれた場所から緊張が伝わってしまいそう。
私は動揺しつつも平然を装うと必死に大丈夫と言った。

しかし次の瞬間、また千葉君に包まれた。

もう何が何なのか訳が分からない。
私は試されているのだろうか。誰かの恋人にお前は抱き締められて罪悪感はないのかと‥。
それともこれは最後の晩餐のように神様が私に最後の幸せを噛み締めさせてくれているのだろうか。

どちらでもいいか‥‥。

もし最後の幸福なら罪悪感はない。私のちっぽけな人生にこんなサプライズが待ち受けているなんて‥‥。大した演出じゃないか。


千葉君が耳元で何か言っている。私は聞き取りたいのだが、耳元で聞こえる声に反応してしまい言葉が頭に伝わらない。
こそばゆくて、恥ずかしくなる。

すると体が離れて、真っすぐ私を見据える。
恥ずかしくて、でも目を逸らせない。瞬きするのももったいない。


彼が口を開いた。

『俺は世界の誰よりも山田紗雪が好きです。これまでもこれからもずっと変わらず好きです。』


‥‥‥‥‥‥‥‥‥。


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