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カーテンと机とつぶれた気持ち
【青春 恋愛小説】

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Surprise-3

気が付いたら公園にいた。私は普段、混乱して取り乱して逃げ出すなんてことはないのに、このことに関しては普段が通用しない。

まだ呼吸が落ち着かない。体中の血液が駆け巡るのを脈で感じる。

彼の言葉を思い出すと同時に彼女に言われた言葉が私を締め付ける。


私は本当に試されているのだろうか。


ベンチに座るとあの日を思い出す。


初めて、千葉君に触れた。

ずっと手をのばしたら届きそうだった。

でも触れてはいけない。

解っていたのに私は‥‥。

帰り道での千葉君の言葉を思い出した。

欲しいものを諦めたら目の前に差し出されて、手をのばしたらすべてが崩れ去るとしたら‥。


今の私のようだ。
あの時、私はそれでも手をのばすと言ったが、そんなのは綺麗事にすぎない。
実際、この状況になってみたら私は何もできずに逃げ出してしまったじゃないか。なんて腑甲斐ない。


『山田さん‥‥だよね?奏人と会わなかったの?』

千葉君の彼女。名前は知らないけど、つい昨日会ったばかりなのですぐにわかった。


『ちょっと時間ある?』



私はなぜここにいるんだろう。しかも一番会いたくない人間と二人で。

公園から歩いてすぐのファストフード店で向かい合って座っている。彼女の前にはオレンジジュース、私の前にはアイスティー。
一体何してるんだか。


『昨日は突然、家に押し掛けてごめんね。』

本当に申し訳なさそうにこちらを見つめている。
私が彼女以上に申し訳なく思ったとしてもそこまで表情で表すことは不可能だろう。

「私も何も言わずに家に入っていってごめんなさい。」

たぶん少しは申し訳なさそうな顔をしていると思う。

『山田さんは何も悪くないって。あたしが勝手に行っただけだから‥‥。さっきね、奏人と別れたの。』

‥‥‥えっ‥。


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