「イジワルな彼〜縮まる距離〜」-1
私、小山穂香、22歳。
これでもか!!ってくらい心臓がバクバクしてます…
あれから、一緒に嶋田さんの部屋に帰ってきて、嶋田さんは今、キッチンでお茶を入れてくれている
“よく考えると私、もの凄い事言ったよね。《私の事ももっと知って貰いたい》だなんて…恥ずかしすぎる!!でも、男の人って早くHしたいモンだよね!?”
ガチャー
「おまたせ!紅茶で良かったんだよな?」
「あっ、はい!いただきます…」
カチャカチャとティスプーンの音がやけに響く
「穂香?」
ヒロが顔を覗き込む
“!!!”
いきなり顔のアップを見て動揺してしまいーー
ガシャン!!
穂香は紅茶を膝の上にこぼしてしまった「ひゃ!〜あっつ〜!」
「おい!大丈夫か!?」
「ご、ごめんなさい!私ったら…どうしよ〜‥!」
穂香は今にも泣きそうになりながら、ハンカチでソファーを拭こうとする
“バカバカ意識し過ぎ!!もう、最悪‥‥”
するとーー
ふわっと体が宙に浮き、一瞬何が起きてるか分からなくなる「えっ!?嶋田さん?!」
ヒロは穂香をお姫様抱っこをし、バスルームに連れていき、バスタブの縁に穂香を座らせ、ひざまずく
「ちょっと冷たいけど、我慢して!」
シャワーをひねる
「大丈夫か?痛くない?」
必死でシャワーを当ててくれる
“嶋田さん…”
穂香は思わずキュンとしてしまう
「…ごめんなさい。私は大丈夫だから!早くソファー拭かないと染みが出来ちゃ…」
「バカ!ソファーなんてどうでもいいよ!」
ヒロの優しさが伝わってくる
穂香は膝の痛みも忘れ、笑顔になる
「嶋田さん!嶋田さんの彼女にしてくれて、ありがとうございます!!」
「!!‥何だ、それ…つーかあんま動くな!落っこちぞ!!」
照れると、声が大きくなり、耳が赤くなるヒロ
こういう些細な仕草も全部愛しいーー
“ったく、恥ずかしい事言いやがって…”
そう思いながらも嬉しさを隠しきれない
「あっ!嶋田さん!!服、濡れちゃってる!」
「あ?」
顔をあげるとー
“!!!!”
バスタブに座ってるせいか、ワンピースの裾があがり、ちょうどパンツが見えている
「嶋田さん?」
「あ、いや!」
“まさか、この角度からパンツが見えてますなんて言えないよな”
穂香は首を傾げ心配そうにている
“こーゆー顔見ると、からかいたくなる!”
キュッとシャワーの栓を締め、
「…なぁ、超能力って信じる?」
「超能力??」
「そっ!見てみたい?」
穂香は目を輝かせ、うんうんと首を縦に振っている
「じゃあ…穂香の今日のパンツの色を当てます!」
「えっ?…パンツ?ヤダヤダ!」
嫌がる穂香を無視し、ヒロは顔の前に手をかざし、目を閉じる
「う〜ん、花柄?いやピンクが見える…」
“‥良かった、当たってない。今日は白だもんね!…ん?ピンクって私のベッドに置いてあった下着の色だ!やっぱ、部屋着た時見られたんだぁ……”
思い出しただけで、恥ずかしくなる
「見えた!正解は白だ!!」