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和州道中記
【その他 官能小説】

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和州記 -紅梅ノ女--3

「…ああ、気持ちいい…あ、ん…んッ」
「ん…い、挿れてもええ?俺、もう我慢出来そうにないわ」
「…ん、き、来て…早くぅ…!」
未だ脱いでいない着物をたくし上げ、一紺は己の一物を取り出す。
高く反り勃った肉棒の先からは、液が滴っていた。
「は、あん…坊やなんて、とんでもないね…あんッ、ん、立派なもんだよ…」
一紺は、些かはやる気持ちを抑えて、紅梅に手伝われながら彼女のそこに肉棒を突き挿れた。
「あ、あああッ!!!」
紅梅の叫びにも似た嬌声が響く。
と同時に。
「うくッ」
ねっとりと自身を包み込み、締め付ける度に背中を駆け抜ける快楽の波は、手淫など到底及ばない。
一紺は早くも達し、彼女の中へ出してしまった。
「…あ、う…ごめん…」
ばつが悪そうに紅梅を見つめる一紺の頭を優しく撫で、紅梅は一紺の背に手を回してその身体を抱き寄せた。
「!」
豊満な胸が己の胸元に押し付けられる感触。それだけで一紺のものが再び硬くなる。
「もう一回戦」
耳元で紅梅が囁いた。
色っぽいその声だけでも達しそうだが、一紺は堪えて上体を起こした。
「ん、任しとき」
一紺がそう言うと、紅梅がくくっと笑った。
「蘇芳と、同じことを言うね」
彼女は笑いながらそのままゆっくりと腰を動かし始めた。
「んぅ…あ、あいつなんかに負けとれんわ」
一紺が小さく呻き、言った。一度達したせいか、先程よりは余裕がある。
とは言え紅梅の心地良い締め付けに、言葉ほどの余裕はなかったが。
「く…あッ」
「初めてにしちゃ…ん、上手いじゃないか…ぁあん!」
一紺が腰を振る。結合部からの水音が、淫らな感情を煽る。
紅い唇、乱れた黒髪、豊満な白い乳房に、反り勃った乳頭。
全てにおいて扇情的な紅梅を改めて見やり、一紺はぞくりと身を振るわせた。
気持ちが良いどころの話ではない。肉棒が蕩けてしまいそうだ。
そして早くも絶頂が近いか、一紺が微かに呻きを漏らす。
「ん…くぅッ」
同時に紅梅の方も、彼が前後に動く度に痺れるような快感に酔いしれていた。
「はあ…んッ!イ、イク…?いいよ…おいで…ッ!」
「あ、あかん、出る…ッ」
呻きと共に、一紺は果てた。紅梅の中に欲望を注ぎ込んで、彼は荒く息をつく。
紅梅は自ら腰を振った。快楽の波が、再び一紺を襲う。
「は、はぁ…ああ!私も、もう…ッ!!」
長い嬌声。紅梅も髪を振り乱して絶頂を迎える。
脱力した二人は身体を重ねたまま、顔を見合わせた。
「…どうだった?」
「へへ、良かった」
はにかむように、一紺は先程までの行為とは別人のように少年っぽく笑って答えた。


「――俺、嫉妬してたんや」
「何に?」
煙管を燻らせて、傍らで呟く少年に紅梅は訊いた。
「…蘇芳の、剣とか女のあしらいとか。あいつは、いつも俺をガキ扱いすんねん」
「今ではもう立派な男さ」
紅梅は少しばかり不貞腐れたような一紺の頭を撫でた。
「それ、ガキ扱いしてるんと違う?」
笑う紅梅に一紺はやはり不貞腐れたように言った。
緩やかな時間が流れる中で、ふと一紺が呟きを漏らす。
「…紅梅の姉さん、蘇芳のこと好きやねんな」
あまりに突然なことだったためか、紅梅は思わず咳込んだ。
「な、何を言ってんだい!」
「俺の焦らし方が蘇芳に似てる言うてたやろ?それで、何となく」
紅梅は柄にもなく顔を赤らめた。
「いやだ、分かるんだね」
「俺に言わせりゃ、バレバレや。…蘇芳のことばっかり言うてた」
紅梅は、乾いた笑いを漏らす。
「…それは悪かった。でも、被るんだよ。あんたと蘇芳がさ…」

そう言い掛けた紅梅の言葉を遮ったのは、他でもない、蘇芳であった。


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