変態は死んでも治らない…第三章-6
好男は千鶴の表情に注意しながら少しずつ挿入していくと、大量の愛液のおかげで途中まではスムーズに入った。
そして今までと同じ所、処女膜の所で狭くなり好男は「やっぱり一ヶ月も経って処女膜も元に戻っちゃってたか」と心の中で呟き、千鶴の様子を見るとまだ痛みはない様だった。
好男はさらに少しずつゆっくり入れていこうと思っていたが、予定外の事が一つあった。
前回までの千鶴の意識が無かった時と違い、膣の締まりが強く好男はもう余り余裕はなかった。
好男は「あとちょっとで完全に一つになれるけど、我慢出来そう?」と聞くと「うん、大丈夫だと思う、いいよ来て…」千鶴の返事に「いくよ千鶴」と一気に根元まで挿入した。
一ヶ月前、好男に眠らされ知らぬ間に破られ、やっと元に戻った千鶴の処女膜は再び好男のモノによって破られた。
その瞬間、あまりの痛みに千鶴は目の前が真っ白になり、意識が段々薄れていった。
すると走馬灯の様に今までの好男との思い出が次々と鮮やかに甦ってきた。
小さな頃からどこに行くにも自分の後ろについてきていつも一緒だった。
小学校に行くようになり、好男も幼稚園に行っていたが朝になるといつも大泣きしていた。
幼稚園に行きたく無い訳では無く、自分と一緒にいられないのが嫌で泣いていたらしい。
その頃の事を母に聞くと、当時好男は両親よりも姉である自分になついていて、夜寝る時も親では無く自分にくっついて離れなかったと言っていた。
その頃の事はあまり覚えていないが確かに学校に行っている間、好男は一人で大丈夫かなと心配していた記憶が何となくある。
お互い小学生になってからも仲の良さは変わらなかった。
自分が六年生の時、同級生の男子にいじめられて泣かされていて、たまたま何かの用で自分の教室に来て自分が泣かされていたのを見て、その男子に殴りかかって逆にその男子を泣かせてしまった、という事があった。
本当は助けてもらってとても嬉しかった。
心からありがとうといいたかった。
それに四歳も年上の男子に殴りかかるなんて相当勇気がいるだろうなと思うと、好男の勇気を誉めてあげたかった。
だけどここで誉めてしまって、今後同じ様な状況に遭遇して同じ行動をとって、もし相手の方が強くて好男が怪我したら嫌だった。
だから考えた末に強い口調で、暴力で解決させようなんて絶対に駄目と叱ってしまい「だってお姉ちゃんが泣かされてるのを見たら我慢が出来なかったんだ」と好男が言うと、もっと自分の心をコントロール出来る様になりなさい。
そうじゃないとお姉ちゃん好男の事嫌いになっちゃうかもしれないよ、と言ってしまった。
好男は慌てて「ごめんなさい、もうけんかは絶対にしないから嫌いにならないで」と約束してその話は終わりになった。
助けてもらったのにお礼も言わないで叱るなんて自分はなんて嫌な姉なんだ。
でもこんな自分でも好男は好きと言ってくれた。
あの時言えなかったありがとうを言いたい。
そして自分の持っているすべてで好男の愛に答えようそう考えているとどこか遠くから千鶴を呼ぶ声が聞こえてきた。
何度も何度も必死に呼んでいる様だったが千鶴の耳にはボンヤリとしか聞こえなかった。
しかしその声は決して止まる事はなかった。
その必死に呼ぶ声が、段々千鶴の耳にもリアルに聞こえてきて、千鶴の心は過去の思い出という夢から好男の待つ現実にもどった。
千鶴が目を開けると今にも泣きそうな顔の好男が、目の覚めた千鶴に気付き「千鶴、目が覚めた?よかった本当によかった」と千鶴を強く抱きしめた。
まだ完全に目が覚めてない千鶴は「よしおーくるしーよー何かあったの?あっ、そうだ、好男あの時はごめんなさい、それとどうもありがとう、本当は凄く嬉しかったんだよ、助けてくれて」と微笑んだ。