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「風雲鬼」
【ファンタジー 恋愛小説】

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「風雲鬼」〜第二話『ミコの想いと泉の向こう』〜-3

「ほ、本当の私は……
三雲の……ことが……
……好き……だよ……」



私は……
三雲のことが……
……好き……

この気持ちに気付いたのは、ついさっきのこと。
本当にこれが?好き?なのかはよく分からない。けど、このドキドキは、それ以外の言葉では説明しようがない。

そう思えば、この気持ちは今に始まったことじゃなかった。

初めて会った時……
目が合った時……
言葉を交した時……
笑顔を向けられた時……
指が触れた時……

いつも私は不思議な胸の高鳴りを感じていて、その度に首を傾げたものだ。…ってことは私、三雲に一目惚れしてた…?


…そうだ、私は……


三雲に出会うまで、人間はみんな醜い生き物だと思ってた。どんなお人好しも、金に目がくらめば絶対に人格が変わる、って……

でも三雲は違うと思った。初めて目を見たとき、そう感じた。すごく綺麗な目をしていたから…。

そうだよ。
その時思ったんだ。

三雲と、たくさん話してみたい…… 一緒に時を過ごしたい……
これが?好き?ってことなんだ。

だって、今も思ってる。

もっとたくさん三雲と話したい。三雲のことが知りたい。三雲とずっと一緒にいたい……

私、三雲が好き。
これが私の気持ち…。

嬉しい。気付けてよかった。
いつの間にか、すっかり涙も引いてしまったみたい。

あらためて三雲の顔に目を移す。

って、あれ…?
なぜかキョトン顔……

ま、まさか……


「みくも…?」

「ん?」

「もしかして……さっきの、聞こえてなかった…?」

「うん、ごめん。聞こえなかった…」

気まずそうに目を逸らしながら三雲は言う。一瞬、目眩(めまい)がした。……思えば確かに、私の声も小さすぎたかもしれない。


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