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地獄に殴りこみ
【コメディ 恋愛小説】

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地獄に殴りこみ 〜2〜-2

「ねね、恭くん。さっきからなに二人でこそこそ話してるの?」
「お前には関係ないよ。というわけでだ、頑張れリック。」
「ああ、ありがとう。」
「ねえねえ、恭一くん。」
「ん、なんですか?レイミーさん。」
「いいわよ、敬語なんて。それに呼び捨てで構わないわよ。」
「ん、わかった。」
「でさ、恭一くんはフェイと付き合ってないのよね?」
「そうだよ」
「じゃあさ、私と付き合わない?」
「へ?」
「だめーーー!!ちょっとレイミー、なに言ってんのよ。」
「いいじゃない別に。付き合ってるわけじゃないんでしょ?結構恭一くんってタイプだからさ。」
「だめーーー!!」
「まぁまぁ、フェイ。あっちで俺と一緒に・・・」
「うるさい。今はリックと遊ぶよりも恭くんを守るほうが大切なの!!」
「ぐはっ」
報われねえな、こいつ。
「ぐふ。や、やはり恭一、貴様は俺の敵だ。」
「まあどっちでもいいけどさ。」
「ねね、恭一くん。」
「はい?」
「恭一くんもさ、こんなぺったんこなフェイよりも私のほうがいいよね?」
比較してみる・・・までもない。レイミーの圧勝。
「レイミーー!!ぶっ殺ーーす!!」
「キャーー!!」
「なぁ、リック」
「なんだ?」
「いつもこんな感じなのか?」
「ああ。たまにもっとひどくなる。」
「マジかよ・・・」
「それに俺らの仕事もひと段落したからな。俺もレイミーもしばらく居続けるぞ。」
勘弁してくれ。
「お前らの仕事ってなんなんだ?」
「俺は度が過ぎたイタズラとかを修正して、レイミーは犯人を罰する仕事だ。お前らの世界で言う警察だな。」
「じゃあ一番の危険人物はあの号泣してる馬鹿なんじゃねーのか?」
「そうなんだよ。フェイのことは好きなんだがあれは勘弁してほしいんだ。」
「今までどんなことやらかしたんだ?」
「マリー・セレステ号って知ってるか?」
「ああ、あの乗組員全員が航海途中で行方不明になったやつか。」
「あれフェイがやったんだよ。いきなり『暇だ〜』とか言って目についた船の乗組員こっちに転移させたんだよ。」
最悪じゃん。大迷惑だよ。やり過ぎだよ。なんだよ、航海史上最大の謎が一人の暇つぶしが原因って。
「それで乗組員は?」
「結構幸せに過ごしたよ。なんたってこっちがいきなり呼んだんだからな。出来る限りのことはやったよ。」
「それはそうだろうな。」
・・・待てよ。
「なぁ、じゃあ何で俺は隕石なんぞ落としてわざわざ殺して呼んだんだ?その時みたいに呼び寄せればよかったんじゃねーのか?どっちにしろ大迷惑だけど。」
「ああ、さすがに幹部が怒ってな、フェイの能力を制限したんだよ。当然だな。」
「幹部?」
「幹部四人衆。この地獄の最高権力者だよ。」
「フェイが一番えらいんじゃないのか?」
「いや、実質ただの飾りに過ぎない。まぁ、フェイは気にしてないがな。」
「へえ〜」
フェイのほうを見てみる。どこから取り出したのか釘バットをおもってレイミーを追いかけていた。
「確かにあいつに権力持たせたら地獄なんざ三日で消滅するだろうな。」
「ああ」
「待たんか〜!!」
「キャ〜〜、洗濯板が追っかけてくる〜〜!!」
「うわぁぁーーん!!」
泣くか追いかけるかどっちかにしろよ。
「まぁ、フェイのことは置いといてお前が来てくれたのはありがたい。少しは俺の負担も減る。」
「こっちはいい迷惑だがな。」
ああ、早く生き返りてぇ。
「な〜に、じきに慣れるさ。」
「慣れるかよ。」
「うわぁーーん、ぶっ殺してやるーー!!」
「いやぁ〜〜」
・・・絶対慣れねぇな、うん。


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