ミュージカルボーイズガールズ番外秋編-4
「は、離して下さい!!」
チャキ
「あんましおっきい声だすとこれで君の首切っちゃうよ?」
「おいおい、ここでヤんのか?」
「いいだろ?むしろゾクゾクしてこねぇか?ハッハー!」
「おいこら……」
「あ?」
ドスッ
後ろからオレが声をかけて振り向き様に顔面に蹴りを放ったオレ。いい忘れていたがオレは空手2段、剣道初段の持ち主である。
ドサッ
その場に倒れるナンパ野郎B。
「なっ!?」
「………その子を離せ」
極力冷たい声でいい放った。
「こ、コイツがどうなってもいいのか!?」
ナイフを城崎さんの首もとにつきつけるナンパ野郎A。だがオレは
「………好きにしろ」
「!?」
「ただし、その子にかすり傷一つ、いや髪の毛の一本でも抜いてみろ、生まれてきた事を後悔させてやる……」
今なら手から炎が出てもおかしくないくらい怒りで手が熱かった。
「!、…………わっわかった、勘弁してくれ。た、頼む!」
「なら、その子を離せ……」
「は、はい!!」
ナンパ野郎はオレにびびったのか素直に言うことを聞いた。
バッ
タッタッタッタッ
ギュッ
「大丈夫、城崎さん?」
「じゃあ、オレは、こ、これで…」
「待てよ?」
「はっはい!?」
「こんなとこにこんな奴置かれても邪魔だ、もって帰れ」
「はっはい!!!」
「あとそれから」
「なっなんでしょうか!?」
シュッ
スパッ
オレはズボンの後ろから取り出したナイフを相手に投げつけ、首もとギリギリをきる。
「ヒッ!!」
「ナイフを突きつけられた時の恐怖と痛み、よく覚えとけ………」
「はっはい!!失礼します!!!」
…………………
「大丈夫?城崎さん」
「…うっ、……ひくっ、…ぐすっ」
「よしよし、怖かったね」
オレは城崎さんを抱き締め背中をさすった。
「…が、の」
「うん?」
「ち、がう、の、ひくっ、秋くんが助けに来てくれて、ひくっ、嬉しいのと、ひくっ、秋くんが私何かを助けて傷ついた事が、ひくっ、かなっ、悲しくて…」
「大丈夫、大丈夫。オレはかすり傷一つついてないから、だからもう泣かないで?」
「だけど、ひくっ、さっきお腹殴られて」
「大丈夫だよ、あんまし痛くなかったし。だから、ねっ?もう泣かないで?」
「……ひくっ、わ、わかった」
「いい子いい子」
今度は頭を撫でた。