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ミュージカルボーイズガールズ
【コメディ 恋愛小説】

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ミュージカルボーイズガールズ番外秋編-2

彼女と初めて話をしたのは塾から帰ってきて冬護から『ギンに無理矢理軽音楽部に入れられた…』とぼやいた次の日だった。話をかけてきたのは彼女の方。最初は同じ学園の子かな、と思っていたが話を聞くと冬護と同じ学校ということだった。モジモジしていて、静かそうな子であんまり喋らなそう、というのがオレの心の中での感想だった。でも案外しゃべって見ると、結構話が合った。好きなアーティストや好きな本、はたまた好きな漫画までもが一致した。でも好きな教科と嫌いな教科が全く反対なんて言った時は二人とも笑ってしまった。それ以来塾の講習が終わった後に教室を少し借りて、互いになんでこの教科が苦手なのかを話し合ったりしたりしていた。それから更に話を聞くとウチの塾で週に一回行われる小テスト、コレの成績優秀者上位10名は掲示板に名前と点数を張り出される。そこでもオレは堂々の1位。そしてその下はいつも城崎さんだったらしい。いつもオレに2、3点差で悔しいと言っていた。当のオレは満点の自信があるし、自分で見に行かないでも周りの奴らがこぞって噂しているので見にいかなくても誰が1位だかはわかっ
ていた。

「さてと」

テクテクテクテクテク
ガチャ
「こんばんは〜」
「やぁ、黒周くんこんばんは」
「あ〜き〜く〜〜ん♪」

ヒョイ

前から突っ込んで抱きつこうとするのを軽々と避けるオレ。

ゴンッ
抱きつこうとした少女はそのまま壁に頭からいった。

「なぎさ先輩危ないですよ?こんばんは、紅(くれない)先生」

いまオレに抱きついてこようとしたのは片瀬なぎさ(かたせ なぎさ)先輩。オレと同じ大神学園の生徒で年は一つ上の中学3年生。
そんでもって、この男の先生は紅野(くれの)先生。すごく教えんのがうまくて今のオレの成績があるのも紅野先生のおかげかもしれない。なんで最初に紅先生と呼んだのかというとオレがある日紅先生って呼んでもいいですか?ときいて快く承諾してくれたからだ。なぜ、紅先生と呼ぼうと思ったのかはよく覚えていない……。話がズレたがこの教室にはオレとなぎさ先輩と紅先生だけ。先生曰く『ここは超特別進学クラス』らしい。まぁ詳しい事は定かじゃない。因みに城崎さんの教室は『進学育成クラス』オレたちのクラスの次に頭のいいクラスである。

「さて、片瀬くん?そろそろ席に戻ってくれないかな?」
「エ〜、もう少し秋くんとスキンシップしてたぁい」

とうのなぎさ先輩はオレに抱きつこうとするのを阻止されたが今度はオレが席に着いた瞬間にまた抱きついてきた。てゆうかこれはスキンシップ以上な気がする…。

「あの、先輩。そろそろマジで席着いた方がイイッスよ?」
「…じゃあ〜、秋くんがアタシに『お願い』のチュウしてくれたらついてあげる♪」

………また始まった。なぎさ先輩はなぜかいつもオレが困るような事をしてはキスを求めてくる。でもいつもここら辺で紅先生が………

「ほらほら、イチャつくのは講義が終わってからにしなさい?」
「はぁい……」

止めてくれる。これでやっと講義ができる。


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