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記憶の鎖
【ファンタジー その他小説】

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記憶の鎖〜決断・前編〜-1

―二週間前『カモーラル』―
「くそっ…こいつ…」
響太たちは苦戦していた。たった一人を相手に。
「ははは!どうした!こんなもんなのか!?」
男は余裕を見せている。
「…響太!」
「…大丈夫!?響太!?」
恵理香は傷ついた荘介に回復呪法をかけている。
「ああ…なんとかな…」
「こんな奴等にヘイガルはやられたのか…情けねえ!俺らの恥だぜ!」
「…まだだ!」
響太は男に斬りかかった。
ガガッ!
「おっと…てめえは少しおとなしくしてろや!」
男は響太に蹴りを食らわせた。
「ぐっ…!?」
響太はその場に倒れこんだ。
…荘介は悔やんでいた。
(俺が迂闊だったせいでこんなことに…!)

―『カモーラル』中心街コロト―
『さーて、今日もやるか!』
『…響太。デスパイアーを少しの間貸してもらえないか?』
壮介は響太に訊ねた。
『別に構わねえけどよ…何に使うんだ?』
『それは秘密で☆』
『……。まあ別に俺が持ってても意味ないしな』
そう言って響太はデスパイアーを渡した。
『って、あれ!?恵理香どこだよ!俺少し捜してくる!』
そういうと響太は人混みの中に紛れていった。
『……外へ行くか』
荘介は街の外へ向かった。…しかし、その姿を一人の男が見ていた。
『……ターゲット捕捉、っと…。』
―コロト近辺の森―
『…やはり特殊な術が施されている。まずはこれを解かないと武器にすらならない…か』
荘介はデスパイアーを前に構える。
『今の響太では扱えないと思うが、無斬封呪くらいは解いておいた方がいいか』
荘介は呪法を唱え始めた。
『我が手にある剣に施されし封呪を解きたまえ、リソルブ!』
デスパイアーに光が集まり始めた。
『俺の呪力なら、なんとかできるはず…!』
徐々にデスパイアーが光に覆われていく。
『よし、…あと少しで封呪が解ける…!』
『頑張ってるとこ申し訳ねえが、邪魔するぜえ!』
荘介がその声に反応して剣を出したと同時に、二つの剣がぶつかり合った。
『…誰だ!?』
『へえ…俺の剣に反応できるとは、なかなか凄えじゃねえか!なら、これはどうだ!?』

―コロト―
『恵理香〜…いったいどこ行ったんだよ…』
『もしかして、響太か?』
『ん?今の声は…』
響太は聞き慣れた声が聞こえた気がした。…前の方からだ。
『響太!』
『お、親父!?』
声の主は響太の父であった。
『どうしたんだよこんなところに!?』
『響太の声を久しぶりに聞きたくてな…この頃家にずっと帰ってきてないじゃないか…。だからな…』
『親父だって仕事で家にほとんどいないだろ!それに、本当はそんな理由で来たんじゃ…』
『あれ?響太?』
響太の後ろから恵理香がやってきた。
『恵理香!?どこ行ってたんだよ!?』
『どこって…町の中を散策してただけなんだけど…ところで、その人は?』
『…ああ、俺の親父だよ。そういや恵理香はまだ会ったことがなかったのか…』
『あ、はじめまして!恵理香といいます!』
恵理香はお辞儀をしながらそう言った。
『はじめまして。君が恵理香ちゃんか。君のことは響太から聞いているよ。』
『そんなことはどうでもいい!なんでここに来た?俺の顔を見に来たなんて嘘だろ!?』
父は間を置いて話し始めた。


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