投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

記憶の鎖
【ファンタジー その他小説】

記憶の鎖の最初へ 記憶の鎖 9 記憶の鎖 11 記憶の鎖の最後へ

記憶の鎖〜決断・前編〜-2

『…私が情報管理局に勤めているのは知っているな?…最近、奇妙なことが頻繁に起こっているという情報を耳にした。外であの三大神剣を使う者―我々は神剣士と呼んでいる―に狩魔人が襲われたという報告が各地の町で何件もあるそうだ。』
『三大神剣……まさか、あいつらか!』
『どうした、響太?何か心当たりでもあるのか?』
『…前に、そういう奴等に襲われたことがある…!』
『何?大丈夫だったのか!?』
『ああ、なんとか倒せた。』
『…国の親衛隊でも歯が立たなかったのを…たった3人で…そういえば荘介君はどうしたのかな?』
『え?私は知りませんが…響太知ってる?』
『確か、外に行くって…』
その時、響太の父は驚いたような表情を見せた。
『なんだよ、親父?』
『この辺りで神剣士がいるという報告がつい最近あった…。何も起こらなければいいが…』
『何っ!?恵理香、探しに行くぞ!』
『響太達は森の方を捜しに行ってくれないか?私は街の中へ戻ってきていないか確かめてみよう。』
『ああ、わかった!』

―コロト近辺の森―
『これで終わりか?…つまんねえな』
男の隣には荘介が倒れていた。
『ぐ…』
男は剣先を荘介の喉元に向けた。
『死ぬ前になんか言い残してえことはねえのか』
『…一つ聞きたい…。お前のその剣、神剣だな…?』
『そうだ。三大神剣の一つ、インフィニティだ』
『…“剣を所持する者の速度を飛躍的に上昇させる”…だからあんなに素早かったのか…』
『随分詳しいじゃねえか。…お前…「あの御方」のことを知ってやがるな?』
『…知っているとしたら?』
その時、荘介の目に響太達が見えた。
『おい、荘介!』
響太はすかさず男に斬りかかった。
『おっと!』
男は素早く響太の剣を避け、響太から離れた。
『荘介!今、回復するから!』
恵理香は回復呪法を唱え始めた。
『回復なんてしてんじゃねえよ!』
男が回復を止めに入ろうとした。
『させるか!』
響太が男の前に立った。
『…何だてめえ?』
響太は剣を構えた。
『恵理香達には指一本触れさせねえ!』
『…この俺を止めるだと?』
『響太!気を付けろ!そいつは神剣を持っている!』
『何っ!?こいつがここの神剣士か!』
その瞬間、ミクワイが一瞬にして響太の目の前に詰め寄った。
『なっ…早い!』
『遅いんだよ!』
ミクワイの剣が響太の左腕を貫いた。
『くそっ…こいつ…』

「俺のせいでこうなった……それを響太に任せるわけにはいかない!」


〜決断・後編〜に続く


記憶の鎖の最初へ 記憶の鎖 9 記憶の鎖 11 記憶の鎖の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前