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たとえこれが卑怯だとしても
【レイプ 官能小説】

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たとえこれが卑怯だとしても-1

「とんだ跳ねっ返りが、こうも堕ちるのは簡単だな」
たとえ罠に堕としてまでも。
「…悪党っ」
だが、愛さずにはいられない。
―――これが卑怯だとしても。



「なっ……!どうしてこれが…?」
手にしたキスシーン写真に、愕然とソファに沈む小山深遠(こやま・みおん)。
「その反応だと、君は知っていたんだな?」
兄の大学の同窓である男に呼び出されての、超高層マンション一室。
「…………」
嘲笑うような視線にも、怯んでしまう。
「まさか、高潔な小山祐透(ひろゆき)が同性愛者とはね。15年も彼と張り合ってきたが、…まったく意外だよ」
「同性愛者ではなく、バイセクシャルです」
負けじと、しかし用心しながら深遠は訂正する。きっちりと。
「同じことだ」
「あなたには関係ないっ!」
政治家の息子でもあり、月森夢叶(つきもり・ゆうと)というビックネームが政財界を浸透しているほどの…。兄が認める好敵手の、この男に弱味を握られてたまるもんか!
「ふふ。このスクープが世間に知れたらどうなるか、賢い君ならわかっているだろうね?」
悠然と微笑む夢叶に。
「言われなくてもわかっているわ!」
ぐっと唇を噛み締めて、睨み返すしかない深遠。
生まれながらにしてエリートコースな夢叶と違って、平から叩き上げで政界入りを果たした11歳上の兄・祐透。
両親を事故で亡くした15歳の私を、変わらぬ笑顔で引き取ってくれた大切な家族。
兄が両刀使いなのは知っていた。むしろ女より、やんちゃな男子に興味があることも。
正直に打ち明けられた時、嫌悪よりも先に信頼されている事実の方が嬉しかった。
(でも、このスキャンダルは……致命的だわ…)
せっかくの苦労を、キャリアを思えば、ささいなことでも見過ごせない。
たとえ写真1枚でも。


信用を築くには、一生かかる。
信用を失うには、一秒あればいい。


そんなシビアな世界に、兄は身を置いているのだ。
「……俺が揉み消してやってもいい」
「え…?」
思いがけない温情に見開く深遠。
ふっと、あの精悍な表情が和らぐ。
無駄に広いリビング室灯の下で見る夢叶は気怠くも、貫禄に満ちていた。
「俺たちは戦友でもあり、手応えのあるライバルだ。このまま埋もれてしまうには、祐透は惜しい逸材だよ。それだけはわかってほしいね」
自分で用意したロック割を、口に運ぶ夢叶。
「…本、当…に…?」
疑心暗鬼な深遠。
目の前には、わざわざ気つけとして用意されたグラスがある。
余計な気遣いだわ。
「ただし、条件がある」
コトリ、夢叶のグラスがローテーブル表面を鳴らした。
「お願い、します…私にできることなら何でも…」
兄さえ無事であれば…。
家族としての8年、恩を返す時だ。
ゆらりと、夢叶が向かいのソファから立ち上がる。


「―――俺の女になれ」


「っ…!?」
一瞬、聞き間違いかと思った。
「このツケは高くつく。祐透のためなら何でもできるな?」
緩んだネクタイを抜き、Yシャツのボタンを外し始めた夢叶に、ソファの座面で後ずさる深遠。
「まさか、まさか……私を…?」
引きつった顔を、正常に戻したくても。
「何のために君を呼んだと思う?深遠…」
計り知れないその微笑が逆に、深遠を脅かす。


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