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Happy Birthday
【家族 その他小説】

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Happy Birthday-5

―貴之4歳。
新入園児が入ってきて、以外にも面倒見がいいことが発覚!!
優しい子に育ってくれたんだと、嬉しく思う。―
『母さん』の陣痛が始まって1時間。
僕たちはタクシーで、病院に向かっている。
'1人じゃ心細いから…'ってことで、僕も一緒に行くことになった。
タクシーの中でも『母さん』はずっと苦しそうだ。
'赤ちゃんを産む'ってすごく大変なことなんだ。
どうしてこんなに苦しい思いをしてまで、『母さん』は『僕』を産もうとしているんだろう??
僕が『母さん』だったら耐えられない。
きっと途中で'止めたい'って思うんだろうな。
少しでも『母さん』の苦しみを和らげるには、何をしたらいいんだろう??
「苦しい??僕に出来ること何かある??」
恐る恐る、『母さん』のお腹を触ってみる。
早く出てきてやればいいのに。
お腹の中にいる『僕』に、苛立ちを感じた。
「ありがとう。お腹よりも、腰をさすってくれる??」
慌てて、お腹を触っていた手を、腰に移動させた。
触れた瞬間、手に電撃が走ったような気がした。
まるで『母さん』の痛みが手に伝わってきたみたいだ。
まだ病院には着かないの!?
1分、1秒がすごく長く感じる。
赤信号が多い。
世界が僕たちに意地悪しているみたいだ。
…神様!!これからはちゃんと母さんの言うこと聞くし、宿題も手伝いもちゃんとやるから、『母さん』を少しでも楽にしてあげてください!!
こんなに苦しそうなんて、『母さん』が可哀想だ。
「………っ!!」
『母さん』はずっと静かに痛みに耐えてる。
痛くて声が出ないのか、僕に心配をかけないようにしているのか??
……!!
病院だ!!
病院が見えてきた!!
良かった…。
これで『母さん』が苦しいのも終わる。
病院の玄関には、看護士さんが車椅子を持って待っていてくれた。
ゆっくり『母さん』を車椅子に乗せると、病院の中へ入っていく。
僕は荷物を持って、車椅子の後についていった。


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