飃(つむじ)の啼く……-3
「ねぇ・・・」
「ん?」
「私と結婚することになるって、決まってたの?つまり、私はずっとそういい聞かされて育ったから…」
「そうだ」
「ふうん……」
旋風が自分のズボンに手をかけた時は、恥ずかしくて反対側を向いた。「ごめんね…相手が私みたいな……」
その時、旋風が布団にもぐりこんできて私を後ろから抱きしめた。「何も言わなくていい。言っただろう、お前が己をこうさせるのだ。」
そう言うと、さらに身体を密着させた。さっき身体を洗うのに使ったのとはべつの、かいだことのない匂いがした。そして、私の背中には、硬くなった彼のものが当たって…
「あ・・・」
振り返ると、少し恥ずかしそうな顔をした彼がいた。「な?」
耳に、生暖かい彼の息がかかる。体中の力が、抜けていく。夜の2時、雨音が部屋中を包んでいた。「ん・・・っ」
飃が私の耳元で、狗族の婚礼の祝詞を詠じている。祝詞が終わると、彼は私の頬に頬に手を当てた。彼の瞳はとても澄んでいて、それで・・・・私だけを見ていた。
「己たちの未来のことは、誰にもわからない。これから始まる戦いを、二人で生きて切り抜けられるかも解らない。それでも、お前は私の妻だ。今二人の間にあるのが、行為だけであったとしても、いずれ己が必ず愛情を抱かせて見せる。必ずだ。」
「うん・・・うん。解った。」
なんだか、目頭が熱くなったような気がして、あわてて瞬きして、目をそらした。すると、頬に当てられていた旋風の手が、私を彼の瞳の中に押し戻した。そして、私たちは口付けを交わし、夫婦にになった。
「ん・・・」
最初のキスの感触は、あまりに気持ちよくて、何度も、何度もキスを重ねた。時には短く、時には長く。とりわけ飃は、この婚礼まで我慢していた欲望を全て開放したかのようだった。私の身体の感触を、その手に焼き付けようとするかのように執拗に愛撫する。
「ッ・・・ん・・・」
飃の舌が、私の耳をなぞった。ため息交じりの愛撫に、思わず声が漏れる。
「ねぇ・・・ぁのぅ・・・」
「もう欲しいのか?」
かすかに、うなづいてみる。彼は、ちょっぴり微笑んだ。
「まだ待て。」
飃は、そういうと、私の足の付け根に顔をうずめた。
「ひぁっ、ちょっと・・・」
「うん?どうした?」
「そんなとこで、しゃ、しゃべらないで!」
吐息が、すでに敏感になった私の秘部をくすぐる。
「じゃあ止めて欲しいか?」
「・・・・ほしくな・・・ひゃぅっ!」
唐突に、旋風の舌が私の中に入る。思わず私の腰が浮く。こんな感覚、今までに味わったこと、ない・・・
「ッぁ・・・あぅ・・・ん・・・・・」もう、何も考えられなられないほど、この感覚は、やばい。自分のものかどうかも区別の付かないあえぎ声が、いつのまにか激しくなっていく。
「欲しいか?」
「ん・・・ぅん・・・ほしぃ・・・」
「初めてだ、少々痛くするかも知れんぞ」
彼のものが、十分すぎるほど潤った私の裂け目にあてがわれた。思ったより、大きい。判断基準がないから、わかんないけど・・・。