投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

レン
【二次創作 官能小説】

レンの最初へ レン 25 レン 27 レンの最後へ

レン-26

INCの駐在官事務所に着くと、そこでは摘発に向けて慌ただしい準備が進められていた。
重役会が行われるであろう場所とその周辺の調査、重役会に招集される人物の調査、その中で誰を確実に確保しなければならないか、密造地をどのようにして特定するか、重役会に強襲をかける際の部隊やその装備編成、連絡系統の確認、調査しなければならない事と決めておかなければならない事は山程ある。
俺はライファーの元へと向かった。
『何日で用意は整う?』
俺は執務用の机で仕事を進めているライファーに言った。
するとにライファーはしかめっ面で答えた。
「最低でも3日間は欲しい所だ。だが準備期間が長いにこしたことはない。重役会の日取りは決まったか?」
『いや、まだだ。トラックジャッカーの危険が消えた今、組織は納品に大急がしだからな。ある程度の納品が済まなきゃ、重役会なんて開く暇ないさ。』
ライファーは目を細めて俺を見ていた。
「そうか。」
短くそう言うと、机から何枚かの書類を取り上げた。
「重役会が行われるであろう場所周辺の調査結果だ。」
その場所は神奈川県内の山間部だ。山一つを組織が所有し、近くに民家や組織と無関係な建造物や一般道もない。
『気兼無く戦争ごっこが出来るな。』
「あぁ、この立地から考えて、ヘリからの上空攻撃も考えている。」
今回の摘発は随分と規模の大きなものになる。なんせ相手はテロリストと変わらぬ軍事装備を持つ、巨大麻薬密売組織なのだから。
『その他の装備は?』
「装甲車も含め、万全をきっするつもりだ。部隊もよりすぐりの精鋭をあてる。」
『流石だな。』
以前にも述べた通り、ライファーは多国籍軍上がりの男だ。この様な作戦はお手の物だろう。
「それから、この摘発は日本麻取との共同作戦という形をとる。強襲部隊は全てINCの人間だが、作戦指揮には麻取の人間も置く事になった。」
つまりそれは、INCが日本麻取の応援要請を請けたという事だろう。
『わかった。』
これで彼女が重役会に参加しなければならない理由も出来た。
「彼女には、最後まで真実を隠し通すつもりか?」
『あぁ、話すとすれば重役会の直前になるだろう。』
「そうか。強襲の際はお前と彼女が攻撃の対象にならないよう配慮しよう。そして強襲が無事済めば、本部を通して彼女をINCに出向させるよう日本麻取に要請しよう。」
『期待してるぜ。』
俺はそう言うとライファーから書類を受取った。
「重役会が開かれるまで、組織の仕事はどうするつもりだ?」
そう、重役会が行われるまで、組織には通常通り動いてもらわなければならない。
『問題無い。ここまで来てヘマはしないさ。』
「愚問だったようだな。」
ライファーがそう言い椅子から立とうとすると、突然俺の携帯が着信を知らせた。
『蓮だ、どうかしたか?』
「ん〜とね、これからあたしレイラさんとデートなんだよね〜。」
もったいぶった言い方で話す声の主はアゲハだ。
『だから?』
俺は冷たく言い放った。
「だから邪魔しないでよ。二人っきりで話がしたいの。」
アゲハは俺の口調に合わせ、冷淡に言った。
『俺が邪魔する理由なんて別に無いだろ?』
「さぁ?あたし達にレイラさんを取られちゃうかも知れないよ?」
アゲハは意味深な事を言った。
『別に彼女は俺の所有物じゃない。』
「そう、ならいいよ。じゃぁ。」
アゲハは俺の返事を待たずに電話を切った。


レンの最初へ レン 25 レン 27 レンの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前