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きらいなところ
【大人 恋愛小説】

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先生と呼ぶところ-2

………半分本気なのに笑
「でも、溜め込みすぎるなよ」
彼女から彼の話を聞いた後、すぐに立ち上がって背を向けた。

今にも泣きそうな彼女に本当は言ってやりたい言葉はたくさんあるが、これしか言葉にならない。
ただジッと見ていることしかできない。

はっきり言って、彼女への気持ちはよくわからないから。

実際、彼女の彼について自分はよく知ってるし、けして恋愛感情なんかないはず。

彼女は娘とまではいかないけど、妹みたいな存在。

彼がどうしてなかなか帰ってこないのかは知っていた。
「お茶菓子持ってかえるか?」
少し彼女の感情を和らげるために言ったのだが、自分で言っててなんかおかしいなと思った。
「ふふっ、いいよ」
心をまるで、よんだみたいにタイミングよく吹き出した彼女。
つられて「だよな」と笑ってしまった。


「また来るね………先生」



彼女の嫌いなところは無理に笑うところじゃない。



嫌いなところ。


それは………



ここでは秘密にしておこう。


でも、今度またあんな顔をしたら………………


アイツの顔が浮かぶ。


握りしめた拳。
少し力を入れすぎたみたいだ。

最後に笑った彼女、あれは本当に笑ってたのか?


そんな疑問が残りつつ、何事もなかったかのように、また日常は続く。

カタカタ小刻みに揺れるドアと窓、外は風が強そうだ。


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