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きらいなところ
【大人 恋愛小説】

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先生と呼ぶところ-1

「……もっと上手い言い訳くらい………考えろよな」
彼女の背中を見送ってドアを閉めた後、力が抜けて、その場に座り込んだ。
顔が少し火照っているのを嫌でも感じる。

彼女との出来事、一部始終が頭を支配し、思考回路も支配されてしまった。
一回りも年の離れた女に振り回される自分って、いったい………。



'無理に笑わうなよ'
やっと喉を通せた言葉。
ずっと言いたくて言えなかった言葉。
そう言ったときの彼女の表情が忘れられない。
「へっ?」
自分で作ってしまったシリアスな雰囲気にそんな間の抜けた返事と表情………
本当に聞こえてないのか?
力が抜け、思わずため息が出た。


もう一回、真剣な表情で今度はシリアス度は下げ目で繰り返す。
「だから、無理して笑わなくていい」
そう言って、言葉の恥ずかしさを隠すためにも、紅茶をゆっくりと飲んだ。
さっきのは本当に聞こえてなかったみたいで、彼女は急に目をパチクリさせ、ハッと慌てだした。
「……べ、別に無理して笑ってないよ。もともと、こーゆ笑い方なだけ!」
早口でそう言って紅茶を息もふきかけず、そのまま口をつけたので、熱っ!!とすぐにカップから口を離した。

そして、カップを戻し、ちょっと赤くなった顔にパタパタと手で仰いでいる。

動揺してんな。
ほんの少し笑うつもりが、余りにも変な言い訳と落ち着きのない行動に笑いが押さえきれなかった。


当然、彼女は「何?」ときつく睨んできた。
いつもながら迫力ねーな、と思いつつも
「いや、別に」
軽く否定する。
あまり感情をいれずに。
「………………」
すると急に彼女の表情が暗くなった。
伏し目がちで目を合わせようとしない。

何かまずいこと言ったか?おい……。
心当たりは………ありすぎる。

頭の中を巡らせながら、お茶をゆっくりと飲む。



本当のところ………自分は彼女の何を知っているんだろう。
本当は無理なんかしてないのかもしれないのに。
彼女は少し冷めたであろうお茶を一口啜った。
つい、目で追ってしまう
「うん、お茶美味しいね」
カップを置いた彼女と強く視線が交錯してしまい、その表情は一瞬こわばったように見えた。
あまり目で追わない方がいいよな。
ストーカーじゃないんだから。
気まずくならないよう自分から目をそらした。


彼女は本当に可愛いなと思う。
無理に大人になろうとしないところとか。
多分、自分が言った言葉の半分は本気にしていないだろう。


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