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シスコン
【コメディ 恋愛小説】

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シスコン『第八章』-10

「なにしてるの?」
「いや、あの…その…、」
秋冬は髪の毛をかきむしる。
「北川先輩って…、」
秋冬は顔をあげた。
「キスした事ありますか?」
「…は?」
「いやっ、なんでもないです。」
「…した事あるわよ。それがどうかした?」
「えっ!?マジっすか!?」
「そんなに驚く事?」
秋冬は立ち上がり、靴をはいた。
「いや、そんな…。相手は…千里ですか?」
「えぇそうよ。」
秋冬は笑ってしまった。秋冬が歩きだすと、北川も隣りについて歩く。
「それって先輩からしたんすか?」
「えぇ。あの子奥手だから。」
「あの子って…、」
北川は笑う。
「そういえば、四世君大変ね。」
「え?」
「文化祭よ。千里がOKしてくれたのよ?文化祭の司会。あなたがやる事になったわ。」
秋冬の目が点になる。
「知らなかったの?」
「千里ぃぃぃぃぃぃい!!!!!」
秋冬はわなわなと震えていた。
「…ご愁傷様。」
北川はクスクスと笑っている。





そして、文化祭当日
秋冬は朝の七時から、学校にきていた。
秋冬は教室の引き戸を開く。
「みんなおはよう。」
「おはよー!」
元気のいい女子の声に、ちょっとだけ朝からきたかいがあったと、秋冬は笑った。
「準備はどう?」
秋冬のクラスは喫茶店を行う為、早くから準備をしていたが、エプロンに意外と手間取り間に合わなかったのだ。
「もうすぐ終わるよ。秋冬君も、仕事頑張ってね。」
「ありがとう。」
秋冬は澄を見つけ、近付く。
「よう。」
「おう。優魅ちゃんと回るんだってな。」
澄はそう言うと、朝買った物なのだろうか、サンドイッチにパクついた。澄が秋冬にサンドイッチを差し出してくる。秋冬は遠慮無く頂いた。
「準備頑張ったみたいだな。他の女子とかも、すごいって褒めてたぞ…?」
澄は微笑む。
「そりゃ、頑張ったかいがあるな。」
秋冬も微笑む。
秋冬は最後の一口を飲み込んだ。
「…あのさ、浜崎さんの事、ごめんな。」
「…なにがだ?」
「だってお前、浜崎さんの事…、」
澄は笑う。
「そんなんじゃねぇよ。それより、今日優魅ちゃんお前にアタックしてくんぞ?」
「あぁ、その事なんだけど、もし浜崎さんにまた告白されたら…、」
「秋冬君!!!早く体育館にきて!!!」
二人の会話を、教室に入ってきた千里が止めた。秋冬は苦笑する。
「また後でな。」
「あぁ。」
秋冬は千里と教室を出た。


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