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秘書の恋
【OL/お姉さん 官能小説】

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社長室での秘め事…1-1

8時…2分前。
携帯電話を見ると7時58分である。
「じゃあ行ってきます」
そう言って坂下麗(さかしたれい)は秘書課を出ていく。
秘書課と同じ階、この会社の最上階に秘書課と社長室はある。
坂下はノックをして、「失礼します」と言いながら社長室に入る。
「おはよう」
そう言ったのはこの会社の社長の金澤雪人(かなざわゆきひと)。
その目を見るだけで、わたしはいつもドキドキする。
「おはようございます」
この時いつも思うの。
胸の高鳴りが聞こえてしまうんじゃないかって。
わたしはすぐ目をそらして
「コーヒーいれますね」
とコーヒーメーカーへと向かった。
「坂下ってさ」
「はい?」
コーヒーをいれながら、わたしはカップを落としてしまいそうになるほど動揺する。
社長のデスクに向かい、この動揺に気づかれまいと丁寧にカップをおいた。
「何ですか?」
平静さを装う。
「坂下ってさ、モテるだろ」
ニヤッと社長が笑う。
わたしも、プッと吹き出してしまった。
「何言ってるんですか〜もう」
わたしが笑っていると、
「商談とか会議あると終わった後にすぐおまえの名前があがるからな…
俺より若い社長でもジジィでも、うちの会社の奴でさえおまえと飲みに行きたいとか誘ってみよう、なんて言ってるよ。
まあ…俺は坂下がそんなのと簡単に飯食うほどの奴だと思ってないから俺が直接断ってる」
と言ったのだった。
わたしは嬉しかった、社長がそんな風にわたしのことを見てくれてるなんて。
「けど、実際はモテませんよ?
社長こそ、モテるじゃないですか。
いつもパーティーあると女の子寄ってきますし」
「…そんなの媚びてるだけだろ」
社長がコーヒーをすする。
「…この味がいいな。
さすが入れ慣れてる、俺の好きな砂糖の分量」
その社長の笑顔に、わたしはクラクラした。
いつもはクールで、人を圧倒するオーラを持ってて。
わたしはその笑顔を独り占めしたいって心底思った…
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
「…ふぅ」
わたしはため息をついて応接用のソファにもたれかかる。
「もう9時じゃん…終わらないなぁ」
明日は大事な会議があるのに、他の会社向けの資料づくりが終わらない。
「社長帰ったみたいだし…」
何だか涙が出そうになる。
誰も手伝ってくれない。
当たり前だけど…
そう思った時、社長室のドアが開く。
「まだ帰ってなかったのか?」
「社長…ごめんなさい、まだ資料づくり終わってなくて…」
社長が、ゆっくりとわたしに近づいてくる。
「目真っ赤だ。どんだけパソコンとにらめっこしてんだよ」
「だって…」
「明日の朝やればいいよ」
社長は冷たく言い放つ。
できない女だって嫌われたのかな…
わたしはデータを保存して、ノートパソコンを閉じる。
ふぅっとため息をついてわたしは立ち上がった。
社長のデスクに散らばった書類を整理していると真後ろに社長の香水の匂いを感じて、
「社長…?」
振り向く間もなく抱きしめられた。
声が出ない。
確かにこの手は社長の手。
この匂いは社長の香水の匂い。
この吐息は社長の吐息。
何で?どうして?
そう思った瞬間、社長の手はわたしの胸の膨らみをつかんで…


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