社長室での秘め事…1-4
「社長…ズボン汚れちゃいます」
「そんなの…いい…」
社長の唇がわたしの唇に触れる。
触れるか、触れないかのようなキス。
社長の唇は震えていて。
…社長が唇を離すと、ゆっくりと口を開く。
「俺は…坂下を見ると我慢できなくなるんだ」
「…え?」
「坂下見ると…いつもいつもこういう風にしたいって…
最低だってわかってるし、坂下にしてしまったことも…」
「社長…?」
「言わせるな、これ以上…」
社長の耳は真っ赤で。
恥ずかしがってるのがとてもよくわかる。
「ほんとにすまなかった…こんな乱暴な…」
社長は泣いていた。
わたしは嬉しくなって社長の唇にキスをする。
「そんなに自己嫌悪に陥らないで下さいね?」
「…わかった」
ふぅっと社長はため息をつき、指で涙を拭って
「坂下、服を…着てくれないか。
まあ俺が脱がしたんだけど…どうもだめみたいだ」
と苦笑する。
わたしも自分の格好を見て吹き出した。
シャツははだけ、スカートはめくれていて、下着は足首に掛かっている状態。
「後ろ向いてるから」
と社長は後ろを向く。
わたしはデスクの上に座ったまま、側にあるティッシュで太ももについた体液を拭う。
先ほどすくいとったものはまだ指についていて。
わたしは好奇心から、その指を唇の中に入れてみる。
ちゅぱっと音がしたのに気づいた社長が
「何してるんだ?」
と背を向けたまま聞いた。
「内緒です」
ふふっと笑いながらわたしはシャツのボタンをとめていく。
口の中に苦みが残るけど。
だけどこの苦みさえもやっぱり愛しい。
わたしはデスクからおりると社長を後ろから抱きしめた。
「坂下?」
「わたし…嬉しくて。
社長もそう思ってくれてたこと…」
「…俺も」
社長はこっちを向いてわたしを抱き寄せて。
「好きだよ…」
そうわたしの耳元で囁いた。