こころ…へ-3
「んっ、清香っ愛してる!!これからの人生を一緒生きてくれ!!」
まっすぐに清香を見つめることが出来ず、少し視線をずらしている俺。
爆発しそうな程動いている心臓に、自分が生きてるんだと初めて思わされた。
俺の握り拳の中は汗ばんで、背中に汗が流れ落ちる。
ープ…プロポーズってこんなに怖いのか?!…
「い…いの?…許してくれるの?邦君をいっぱい傷付けたのに…私…」
ー……
「傷ついたのは同じだろ…もうやめよう…こころの思い出を語り合って、それで、一緒泣いていこう…笑っていこう…新しい家族増やしたりして…こんな仕事がダメなら俺ちゃんと就職するし…」
「…邦君…」
「一緒にいてほしい…こころの分まで一緒に生きていこう…」
「…うん…私、邦君と一緒にいたい…」
それから俺達はワインを開けた。それはこころの3歳の誕生日に二人で飲んだワイン…
「こんな簡単なこと…気づくのに五年もかかるなんて…」
清香、ワインを見つめながらぽつりと言った。
「…必要だったんだよ俺達には、この時間が…」
俺もぽつりと呟いてワインを見つめる。
それから一週間後だった、rococoに清香が加わったのは…
それは、こころのほっぺと同じ色、ピンクの鮮やかな花びらが舞う桜の季節だった…