『マニラバ!‐Last』-1
「おっはよーっ!!」
あたしは茜ちんが先に来ているのを見つけ、教室に入った。
「おはよー。朝から元気だね。やっぱ吹っ切れたって感じだね」
昨日の夜、あたしは茜ちんと電話で話した。
藤堂先輩といるとき、あたしが感じたこと。
それを先輩が感じ取ってくれたこと。
そして、あたしを好きだといってくれた先輩にごめんなさいと言ったこと――
全部を話した。
――リョウはどうする?
いろいろ話して最後にリョウのことになった。
でも結局答えは出なくて、まぁいっか!――茜ちんとそう話して電話を切った。
茜ちんの先にはリョウがいた。なんだかムスっとしている。そういえば、昨日の放課後言われたんだっけ。あたしが藤堂先輩を好きになってるって思ってるんだよな――
「まぁいっか!」
ぶはっ!
茜ちんと目をあわせて思わず吹き出して笑ってしまった。
「なっ、なんだよ…」
リョウがあたし達が自分を見て笑ってるのに気づいてそう言った。
『べっつに〜!』
思わず2人声を合わせて言った。
ダメだ。やっぱ笑ってしまう。
笑い転げるあたし達を見て訳が分からず、リョウは怒ってる。
「なんなんだよ、お前ら〜!」
やっぱりコレがいい。
あたしと茜ちんと、そしてリョウと‥
今が楽しくて、今のままがよくて、あたしは藤堂先輩の告白を断った。
でも先輩がそれに気づかせてくれたんだ。一番あたしらしくいられる場所を。先輩の前では、あたしはあたしらしくいられなかった‥
先輩には感謝している。
ま、リョウも気づかせてくれたんだけどね。
それから何日たっただろうか――‥
「はぁ。お腹すいたぁ。」
「え〜。さっきお昼食べたばっかだよ!」
そうなんだけど‥舞はしょんぼりする。
「じゃあ放課後行きますか!」
リョウの言葉に舞は目を輝かせた。そして思わず大声で言う。
「行くっ!!」
あっ。
「こらぁっ!!柳沢舞〜!!」
授業中なのをすっかり忘れてた。せっかくバレないようにちっちゃい声で話していたのに〜
茜とリョウは呆れた顔で舞を見る。
やれやれ‥