投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

『マニラバ!』
【学園物 恋愛小説】

『マニラバ!』の最初へ 『マニラバ!』 17 『マニラバ!』 19 『マニラバ!』の最後へ

『マニラバ!‐5』-3

放課後――‥      
「舞、今日一緒に帰ろうぜ」
リョウが言ってきた。
「‥今日は藤堂先輩と約束してる」

リョウの表情が変わった――
「またか〜。
‥お前、アイツと付き合うことにしたの?」
違う。そんなんじゃない。舞は首を横に振った。

「でも、一緒に帰りたいから、舞も誘われても断らないんだろ?
一緒に居たいからなんだろ?
それってさぁ…」
――なんだか悔しくて最後まで言えなかった。

「も〜。わかんないよ‥
――だって‥断れないんだもん。‥先輩といると緊張して、何も言えない。」
舞は下をむいたままそう言った。


「舞。――もう答えでてるじゃん。‥それが舞の答えだよ。」
リョウは舞を残して行ってしまった――



え?この気持ちがあたしの答えなの?藤堂先輩が好きってことなの?
わかんないよ――‥


「舞ちゃん、元気ないね」
舞は藤堂と帰りながらも、さっきのことが気になり一言もしゃべらないでいたのだ。
「あ、ごめんなさい。考え事してて‥」

「舞ちゃんさ‥、僕といて楽しい?
茜ちゃんとか、近藤くんとか‥と、いるときはすごく楽しそうにしてるのにね」
藤堂は今まで思ってたことを口に出した。
「あの子達といるときはいっつも笑ってるけど、今は、らしくないっていうか‥」

舞は最近のことを思い出していた。
毎日毎日、茜とリョウといるのが楽しかった。

そして同時にさっきのリョウの冷たい表情も思い出した。
――もう今までみたいに3人でいられなくなるのかな‥

「‥先輩。あたし――」

「いいよ。
――僕は笑ってる舞ちゃんが好きなんだ。今の舞ちゃんは、らしくないよ。
もう‥いっていいよ。」

「先輩、ごめんなさい。
‥ありがとうございました。」
舞は深く頭を下げた。

藤堂は笑顔だった。


『マニラバ!』の最初へ 『マニラバ!』 17 『マニラバ!』 19 『マニラバ!』の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前