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『マニラバ!』
【学園物 恋愛小説】

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『マニラバ!‐1』-1

チョキ‥チョキ‥
「こらーっ!!柳沢舞ーっ!!」
「うぎゃぁっ!」
ジョキン‥パサッ。。
一斉にあたしを注目。そして大爆笑。

授業中こっそり前髪を切ってたら見つかってしまいました。急に先生怒鳴るから短くなっちゃったじゃん!あ〜あ。。


「なんで前髪なんか切ってたの〜?」
「だって目に入って気になったんだもん」
「あ〜、まだ目開けちゃダメ!」
チョキ チョキ
茜ちんが、ガタガタになったあたしの前髪をキレイに切り揃えてくれてる。
「よしっ!…あっいいこと思いついた!舞、そのままね。」
ん?  何やら茜ちんはごそごそとしだした。

ぬりぬり‥
ん゛〜っ!!
茜ちんは、あたしの唇に何かを塗りだしたのだ。

「で〜きた!おっ。舞ちゃんたら、かわいい〜!」
眉上でまっすぐにそろった前髪。赤の口紅。
あたしは鏡を見てびっくりした…
「うぎゃぁっ!もう〜茜ちんっ〜!」
あたし達の騒ぎにクラス中が集まってきた。
――舞、かわい〜
――いいじゃん舞ちゃん

も〜っ! あたしは口元を押さえて急いでトイレへ走った。 茜ちんは涙流しながら笑い転げてるよ‥


「――あ〜っすっきり!」顔を洗ってきたあたしは、どかっと椅子に座った。
「あーぁ。せっかくしたのに〜。」
ふんっ!
「舞ってもったいないよねぇ。絶対化粧したら生えるのに…目鼻立ちはっきりしてるんだから。もうちょっと女の子らしくさぁ〜  ほらっ 足も開かないっ!」
私、柳沢舞は茜ちんに言わせるとそーらしい‥
もう何回も聞いたよ、それ。
あたしは今時めずらしく化粧もまったくしない、黒髪の高校2年生――。なのになぜか先生達からは目を付けられてる。茜ちんには、あんたが落ち着きないからよ。と言われてる‥あたしは男の子か!
茜ちん、西原茜は私の親友。いつもバッチリ化粧してて髪もきれいな栗色に染めてる。いわゆる今時の女子高生。かわいい顔して結構毒をはく。茜ちんといるとすっごく楽なのだ。


「あ。リョウも見た?さっきの舞。」
茜ちんが近くにやってきた、近藤リョウに聞く。
「お〜見た見た!イケてましたよ、舞さん!」
「でしょでしょ〜。舞もやっぱり女の子なんだよね〜」
「うんうん。俺もどきっとしちゃったよ〜。男なんじゃないかと思ってたけど、結構かわいい顔してんのね――」
そう言ってリョウはあたしの顔を覗き込む。
はいはい‥もうこの二人、ほんとそっくり。。

ぷっ!

あたしの顔を覗き込んでたリョウは吹き出した。
「すっげー前髪!」
うっ――これには何も言い返せない‥


リョウは男番の茜ちんて感じ。しょっちゅう3人でつるんでる。周りから見ると2人からあたしが面倒見てもらってる感じらしい。なんじゃそら――


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