『マニラバ!‐5』-2
「‥で。どうだった?」
茜ちんがニヤニヤしながら昨日のことを聞いてきた。なぜか一緒にリョウもいる。
えぇー。なんでぇ!
そんな目でリョウを見てしまう。
「えー、舞まじで昨日行ったの?俺は行くなって行ったのに〜」
――え〜っ、あの〜リョウさん?!
「おっ!リョウついに言ったか?!」
茜とリョウが盛り上がりだした。
――え〜、茜ちんまでぇ〜何なのコレは?!
「あの〜‥リョウ?」
舞は伺うように聞いた。
「ん?なに?
この間言ったことはホントだよ。あ〜あ、いいよな。藤堂は。舞!今度は俺とデートしろ!」
え〜っ
「お〜!やるね、リョウちゃん」
茜ちん、楽しそう‥
「リョウ〜」
遠くからヨウスケ達に呼ばれ、リョウは「じゃあな〜」と行ってしまった。
――俺は俺らしく行くって決めたんだ。舞は気まずそうだったけど‥俺は気にしない!自分をぶつけるぞ、舞。
はぁ〜。
舞はため息をついた。
「どう?今の気分は?」
茜が頭を抱えた舞に聞いてきた。
「どーもこーも‥茜ちん、知ってたの?リョウのこと‥」
あたしは何でもお見通しよ。そう茜は笑っている。
「‥なんかリョウに会うの気まずいと思ってたんだけど。リョウ、普通にしてるから‥気が抜けちゃったよ〜」
「‥でも、結構な勇気がいると思うよ」
そうだよな‥
「舞、今回は助けてって言わないんだね」
「うん‥だって自分で考えなきゃ、でしょ。」
「成長したね〜舞。でも何でも話してね」
もちろん!!
それからというもの藤堂先輩とはあの日からよく一緒に帰るようになった。でもやっぱり慣れることはなく、ドキドキしっぱなし…
「ねぇ。舞、そろそろどうなの?」
しばらく日が経ったある日茜ちんから聞かれた。
「ん?なに?」
本当は何のことを聞かれたかはわかっていた。
「‥二人に返事。そろそろ応えだした方がいいんじゃない?」
わかってる。でも‥
「‥ねぇ、茜ちん。
今のままじゃダメなのかな?」
正直な気持ちだった。
あたしに好きだって言ったのは嘘なんじゃないか。
本当は冗談で、あたしを困らせるために言ったんじゃないか。
そもそも告白なんてされてないんじゃないか。
‥そう思わずにはいられないくらいにリョウは普通にあたしに接してくる。
だから前みたいに、茜ちんとリョウと、バカ騒ぎをするほどになっていた。
「‥今がいい。今のままが楽しい。」