reality ability‐第2話‐北の町、white town‐-5
「な、‥何だ?それは!?」
「ん?知らないのか?‥‥“禁断詠唱”だ!」
「っ!お前ら‥性格が!?」
「反動だよ!反動!‥‥さて、行くぜ?」
「ちっ、バカが!‥‥光!さっさと終わらせないと死ぬぞ!?コイツら!」
「!?どうして?」
「アイツですら、反動で血を吐くんだぞ!?」
「えっ?」
「‥‥説明は後だ!」
「は、はい!」
「行くぜ!」
「‥‥来なっ!」
「行くわよ!」
「‥‥死に誘(いざな)ってあげます!‥‥」
〈ヒュン!‥‥ヒュン!ギィン!ヒュン!ギィン!‥‥〉
先ほどとは比べ物にならない攻防が行われている。誠慈が祐を攻撃するが余裕で躱す。隙が出来た誠慈に結が攻撃する。それを防げない誠慈を守るため、光はその攻撃を弾かせる。その一瞬を狙ったように祐が光に攻撃する。が、誠慈が守る。
その様な行動が数分間行われた。ただ、誠慈と光が少しずつ押されているようにも思える。しかし、攻撃のキレは落ちなかった。
すると、互いに間合いを取り始めた。
「はぁはぁ‥‥。流石に“禁断詠唱”だな。」
「その程度でくたばるなよ!?‥‥まだまだ行くぜ?」
祐は近付いてくる。と、誠慈が構える。
「何をするんだ?」
「‥‥神威流剣術!無風流斬(むふうりゅうざん)!」
「何!?」
〈ヒュン!ヒュヒュン!シュパッ!!‥‥〉
その攻撃は前にも出した真空斬に似ていたが、それとは似て非なる攻撃だった。そして、その攻撃によって祐と結は離れた。
「‥‥光!結を任せた!‥‥負けるのが怖かったら、来なくていいぜ?祐?」
誠慈は祐を挑発して、町の奥へと走っていった。
「!!誰がお前に負けるかよ!?」
祐は誠慈の挑発を受け、続けて町の奥へと追うように走っていった。
〈ヒュン!ギィン!〉
その様子を見ていた光に結は攻撃した。だが、光は攻撃を受け止めた。
「‥‥そのまま、死んじゃえばいいのに‥‥」
「何を言ってるの?私は貴女ほど弱くないわよ?」
「‥‥アタシはアナタほど誰にも優しくなれないのよ!‥‥」
「ふ〜ん。だから?」
「‥‥アナタは何故、他人に優しく出来るのよ!?‥‥」
「私は別に優しくないわよ?‥‥そうね、強いて言えば自分は自分、他人は他人で割りきっているし。」
「‥‥‥‥」
‥‥一応、“神”なのにそんな事してていいのか?‥‥
「神城家全員はそうよ?‥‥お父様と母さんは別だけど。それを優しく思っているのは、あくまでも他人の考えあって、私は優しくしているつもりはないわよ?」
「‥‥もういいです!アナタの思想は解りました!‥‥」
結は身構える。剣を前に出す基本的な構えだった。
「何よ。せっかく教えてあげたのに‥‥」
光もゆっくり構えた。‥‥身長に合わない槍の長さが気になってしまう。両手で持たないとバランスが崩れてしまいそうだ。
だが、光は片手で持っていた。しかも、バランスがとれていた。