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かつて純子かく語りき
【学園物 官能小説】

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かつてタキタかく語りき3-5

「嫌ですわ。アタクシ、箸より重いモノなんて、持ったことがなくってよ!」
また始まった……。
今日は、社長令嬢ゴッコらしい。
僕が無反応なままでいると、ジュンはさらに興にのってきた。
「嫌ったらイヤ!」
小さな握りこぶしを2つ、口元に寄せてイヤイヤと顔を横に振る。
……むう、かわいいじゃないか。
仕方ない。クリスマスだし、付き合ってやるか。
「失礼いたしました、お嬢さま。私にお任せくださいませ」
そう言うと、僕は彼女の前に片足ついて靴を脱がしてやった。
「……フン。わかればよくってよ」
おや。今日のお嬢様は、ことのほか素直でいらっしゃる。
どうやら、まさか僕が本当に脱がすとは思っていなかったようだ。彼女を驚かせたかと思うと、わけもなく嬉しくなってしまう。
まだまだ僕はコドモ、だ。
「さ、参りましょう?」
そのまま手を取り、ふわりと抱き上げた。
「みょっ!?」
あ、素が出たな。
僕がジュンに見えないように口の端だけで笑うと、一方、彼女は両手で口を押さえていた。
「お行儀の悪いお口でいらっしゃいますね?」
そのまま手を避けてからキスをして、上唇を丹念に舐めあげた。
「……ン、ふっ」
ややあって唇を離すと、ュンは僕をじっと見据えた。とろんとした眼には、いまだ理性が残っているようだ。なんだか物言いた気だったので、僕の方から口火を切った。
「お仕置きです」
それを聞いたジュンは、口元をきゅっとあげた。
「アタクシを、満足させられるのかしら?」
と自身の舌でぷっくりとした下唇をなぞった。
背筋にぞくりとしたものを感じながら、僕は相手を睨み返した。
「精一杯の努力をいたします」
頬についばむようなキスを降らせる。
「……覚悟なさいね?」
「御意」
返事をするのももどかしい。彼女を抱き上げたまま、舌を絡ませてキスしながら、ベッドへと倒れこんだ。
「あ、……はぁっ」
口内を侵しながら、豊かな黒髪へ手櫛をいれる。ジュンは上顎をぞろりと舐められるのが好きらしい。コレをすると、必ず肩を小さくピクンと弾ませる。
「んっ」
充分にキスを堪能すると、ふっくらした耳たぶにかぶりついた。彼女の肩が小刻みにぷるぷる震えだす。
「……はあぅ」
くちゅくちゅと音を立てながら舐め、首筋に移ろうとして襟を乱暴にずらした。青白いうなじにしゃぶりつく。
「あ、あうっ!」
ジュンは首筋がひどく弱い。鎖骨から顎まで、ゆっくりと舌を尖らせて這い上がる。
「ひゃあウっ、……ア、ゃああ!」
僕の下で無防備に跳ねるジュンを見ていると、限りない愛しさにたまらなくなる。
このまま、壊してしまいたい。
僕だけの、あなたにしてしまいたい。
「……タ、キタあぁっ。も、止め……て」
彼女の声ではっとした。ふと目を落とすと、ジュンの首筋は赤黒く染まっていた。
「……痛くない?」
そこへ僕の冷えた手の平を当てると、火照った熱が引いていくようだった。
「反則、だ。ソレ」
眉根をきゅうと寄せて、僕を見ずにそれだけをぽつりと呟いた。僕はその言葉さえ飲み込むようなキスをしてから、お嬢様にお願いをした。
「もっと……よろしいですか?」
「タワケっ!!」
ぽこんと小さなゲンコツで叩かれた。彼女は、真っ赤になってそっぽを向いているが、小さな声で「いいから」と囁いた。
寒くないようにと着込んだ服たちが邪魔だ。下着までいっきに脱がして自分も裸になりながら、僕はエアコンのスイッチを入れた。


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