『ご主人様の気持ち』‐2〜聡志編〜-2
「んっふ・・・」
クチュ、グチュ。
「あふっ、はぁん」
静かな部屋に美央の乱れた吐息と音が響く。
「ああぁんっ」
指はすぐ傍の小突起をなぞっていた。
円を描き、押さえ、擦る。そして秘所に戻り濡れた中指でまた突起を摩る。
まるで液を塗りこんでいるような仕草。
「あん、んっ」
どんどん没頭していく美央。
どんどん上り詰めていく身体。
揺れ動く腰に俺は誘われた。たまらなくなった。
股の間に身体を滑り込ませ、自身のモノを掴み、
「そのまま指を動かせていろ」
言い放ち、突っ込んだ。
「あああああぁーっ!」
喜びの悲鳴を上げる美央。
身体を震わせ、秘所をも震わせる。
俺は美央がイッた事など気にも留めず打ちつけた。
指は離れていたが、中は絶頂の余韻を残しヒクついている。
この感触を長く感じたい。早く終わらせるには勿体ない。
思った俺は美央を寝かせキスをした。
その間に雄を落ち着かせようとした。左手で胸を揉み、気を静めようとした。
だが暴走意欲は抑え切れなかった。
「あっ・・・ご主人様ぁ〜」
甘える声と催促する腰の揺れ。
両足を絡め、膣壁も俺に絡みつかせ、快楽の渦へといざなって行く。
もうダメだった。
理性が飛んだ。
「はうっ!」
ガツンと打ちつけると美央は歓喜の喘ぎを漏らした。
奥を突いてやると身体を強張らせ仰け反った。
俺は自身のモノをフルに使ってやった。
自分よりも快楽へ突き落としてやる。そんなつもりで擦りつけた。
だが美央は俺の頭を押さえつけ、
「あんっ!んっ!あぁっ!」
喘ぎながら下から腰を使ってくる。
「いいっ・・・あんっ!すごい!」
動きを封じられそうな勢いで締め付けてくる。
気を抜けば先にいかされそうな蠢きに俺は耐えた。
耐えながら獣のように腰を揺すった。
「ああっ!イクっ!イクぅーっ!」
ようやく望んだ言葉。待ち望んだラスト。
「あああぁーっ!」
ピンポイントを狙い絶頂へと追い込み、
「あっ・・・うふっ・・・あふっ」
美央がイッたのを見届けると、
「うぅっ!」
欲望の液を体内に大量に吐き出した。
放心状態の美央にご褒美とばかりにキスを与える。
そして満ち足りた解放感から俺の顔は緩む。
女を性欲の道具としか考えてなかった。
吐き出せればそれで十分だと思っていた。
だが美央に会ってそれは変わった。
感情が己を高め、満足感を満たす事を俺は知らされた。
隠された美央の裏の顔を自分ひとりが支配している喜び。
誰の耳にも触れない甘い喘ぎ声。
自分だけに絡みつくしなやかな身体。
美央の全てに興奮を覚える。満足感を与えられる。
それを教えられてから俺は変わった。
あれほど人との馴れ合いを嫌っていた自分が、今は美央との時間を楽しみにしていた。
夜が待ちきれなくなった。
まだこの有意義な時間を手放したくない。
そう考えたところでもう終わりは近づいている。
傷が完治すれば美央の罪悪感は無くなり居なくなる。離れてしまう。
「どうすれば・・・」
寄り添いながら眠る美央の隣で、俺は右手に巻かれた包帯をずっと眺め、考えていた----。