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ツバメ
【大人 恋愛小説】

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ツバメB-1

そんなバカな。

燕と福岡くんが繋がっていたなんて。

いや、そんなはずない。

燕が福岡くんの行くようなエリート校に行けるわけない。
そうだよ、うん。

「福岡かー、懐かしいな」
『うわっ!』


第三話
エリート新人(後編)


あたしの前でゴロゴロしていたはずの燕は、いつの間にか横で携帯の画面を眺めている。
「なに、福岡のこと知ってるの?」
『う、うん』
あの…携帯を勝手に見たことは咎めないんですか?
しかし燕は不思議なことを言い出した。
「こいつ、面白かったなー」
え?面白い?福岡くんが?
やばい、気になってしょうがない。
ここは聞いてみるか。
『ねえ、この人、同じ高校?』
「そうだよ」
『でも、この人、頭いいでしょ?』
「んー、三年間ずっと同じクラスだったけど、そんな感じじゃなかったよ?」
『……』
あれ?エリートって頭よくなくていいの?
段々わけがわからなくなってきた。
あたしが頭の中で混乱を整理していると、燕がニヤニヤしながら言った。
「……うん、椿芽ちゃん、今度の日曜、デートしよう」
『はい?』
「いいから」
『え、うん……』

なんてことだ…
燕に久し振りのデートに誘われた。
燕から誘ってくるなんて本当に有り得ないことなんです。
やっぱり合コン大好きのくせに、彼女のこと考えてくれてるんだな。



おっと、つい油断してしまった。
たしかにうれしいけど、絶対なにかある。
なにもなかったことは、これまで一度もありません。
堂々と胸を張って言えるから非常に悲しいです。
でもまあ、それでも楽しみだな。
本当に久し振りだから。

燕は服買いたいなー、なんて言いながら、ファッション雑誌を眺め始めた。


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