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ツバメ
【大人 恋愛小説】

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ツバメA-4

「これはすごいご馳走だね」
『……』
二人の目の前には普通のカレーライスが綺麗に皿に盛られていた。
『嫌味言わないでさっさと食べる!』
「はいはい」
二人で黙々とカレーを食べていると、燕が突然、なにかを思い出した素振りを見せた。
先日の合コン事件もこのような感じだったし、嫌な予感がする。
「……椿芽、すっごくおいしいよ。ありがとう」
なんと燕はあたしに優しく微笑みかけた。
『へっ?』
予想外の言葉に顔を赤くする。
「どうしたの?」
『いや……ありがと』
「あはは」
燕はニコニコしている。相変わらず、掴み所のない男だ。

食器を片付けた後、燕はテレビに集中していたので、こっそり携帯を見てみることにした。
『……』
なにこれ。
学生のくせに登録件数は300を超えている。
どうやら燕は“アドレス消さない派”のようだ。
あたしは連絡をとらなくなるとバッサバッサと斬り捨てていくけど。
続けて見ていくと、やはり、女が多い。
“合コン”グループがあるのに驚愕する。
そんなに頻繁に行っているのか?
ここでうれしい発見。
なんと“彼女”グループを見つけました。
入っているのはあたしだけ。
これで一安心……

できないのが“このバカ”である。
よく考えれば、一人しかいないのにグループを作る必要あるのか?これはカモフラージュではないのか?
悔しい。やっぱり悩まされる。
それ以前に、ここまで女性と関わりがある時点で怒らないの?と思った人もいるかと思いますが、あたしはすっごくサバサバしてるので割り切れます。
二股をかけられてる可能性は否めませんが。
というか、こうやって調べてる時点で多少の矛盾はありますが。

嗚呼、あたしって絶対に将来、夫が浮気してるのを知ってても気付いてない振りをして、子どもが就職すると同時に離婚届を夫に叩き付けて熟年離婚するタイプだわ。

すいません、長いですね。
あたしは妄想癖のある人間なんです。

そんな一人芝居をしながら、アドレス帳が“高校”グループに入ったとき、ある名前を見つけた。
『……え?』


No.121 福岡孝太郎


『ええぇえぇええぇ!?』


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